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「みそ4キロ1万円」適正? 業者は「味に自信」 訪問販売トラブル絶えず 法整備求める声も

「みそ4キロ1万円」適正? 業者は「味に自信」 訪問販売トラブル絶えず 法整備求める声も|【西日本新聞】

以下記事転載

「みそ4キロ1万円」適正? 業者は「味に自信」 訪問販売トラブル絶えず 法整備求める声も

4キロ9880円で売られているみそ。無添加で昔ながらの製法で造られているという。味もおいしいが…。(写真の一部を加工しています)
4キロ9880円で売られているみそ。無添加で昔ながらの製法で造られているという。味もおいしいが…。(写真の一部を加工しています)
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「悪質な訪問販売お断り」のステッカーと悪質商法撃退の手引
「悪質な訪問販売お断り」のステッカーと悪質商法撃退の手引
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 訪問販売を巡るトラブルが後を絶たない。高齢者の判断能力の低下につけ込み契約を迫る業者もいる。特命取材班にも「70代の母が高額のみそを買わされていた。調べてほしい」との依頼が寄せられた。みそ4キロを約1万円で購入しているという。確かに高いように感じるが、価格は適正なのか、違法性はあるのか。

 問題のみそを見せてもらった。プラスチック製の容器には「国産原料 無添加」「手造り」などの文字が並び、高級感が漂う。実物を入手し、みそ汁を作ってみた。おいしい。ただ、値段に見合うかは正直分からない。どこで造られたみそなのだろう。

 容器には販売者名しか記されていない。ラベルに記載された記号が気になり消費者庁に聞くと、製造所を表す「固有記号」で、福岡県内の老舗みそ店で造られた物だと教えてくれた。

 店を訪ねた。販売業者のために特別の工程で造り、月500キロの取引があるという。卸値は4キロ2180円。4・5倍の9880円で売られていることを告げると、店主は「高いと言えば高いが、うちは卸元だから」と困惑した様子。販売業者からみそを購入した客からのクレームを受け、今月いっぱいで取引をやめることを決めたという。

 独占禁止法は、不当に安い値段で販売することは禁止しているものの、逆の規制はない。公正取引委員会の担当者は「高すぎれば売れず、自然淘汰(とうた)されるから」。ラベルの表示や「手造り」などの宣伝文句に違反がないか調べたが、特に問題はなかった。

「納得して買ってもらっている」と販売業者

 販売業者に連絡すると、人の良さそうな40代男性が取材に応じた。約20年間、全国展開のみそ訪問販売会社に勤め、強引な営業手法に嫌気が差して数年前に独立。無添加、国産のみそにこだわり、仕入れた製品を包装して自社ブランドとして販売しているという。

 価格について触れると、いくらなら良いと思うかと逆に聞かれた。クーリングオフ(一定期間内の契約解除)が続き、昨秋3千円値下げしたばかりとか。週6日、朝から晩まで売り歩き、従業員2人の人件費やガソリン代、仕入れ代などを引くと残るのは月30万円ほどという。法外な利益を得ているわけではなさそうだ。

 「みその訪問販売は、したらだめなんでしょうか…」。もちろん違法ではない。ただ、相手を不安にさせたり、困らせたりする方法で契約を迫るなど特定商取引法で禁じられた行為をすれば処罰の対象となる。男性は強引な勧誘を否定し、「味を見てもらい、納得して買ってもらっている」と話した。リピーターも県内外に70~80人いるという。確かに情報提供者の母親も味を気に入り、2回目以降は自ら注文していた。

 同法で交付が義務付けられている契約書面を見せてもらった。記載が必要な製造者の情報がなく、販売業者が造っていると誤解されかねない。男性は「記載が必要とは知らなかった。どこのみそか聞かれたらちゃんと答えていた」と釈明した。

訪問販売の相談は年に8万件、大半が高齢

 国民生活センターによると、訪問販売に関する相談が毎年度8万件余り寄せられている。大半が高齢者に関するもので、判断能力の低下につけ込んだ悪質商法も少なくない。一方、業者側からすれば、いくら納得して購入してもらっても、その家族などから非難されることもあるだろう。

 日本弁護士連合会は消費者保護のため、「訪問販売お断り」などの意思表示をしている家庭への勧誘を禁じるよう法改正を求めている。「こんな時代だからこそ、対面でおいしいみそを届けたい」と販売業者の男性。ルールを守ることは当然として、無用なトラブルを防ぐためにもこうした制度が必要だ。

=2018/04/25付 西日本新聞夕刊=