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4000万物件に8000万払った50代の末路 買ったのは1軒、払うお金は2軒分・・・もう日本では不動産は儲からない

以下記事転載

president.jp

4000万物件に8000万払った50代の末路

買ったのは1軒、払うお金は2軒分

マネー 2018.5.10 #住宅ローン #マイホーム

 
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約30年前にマイホームをローンで購入した人たちが、定年を迎えつつある。その老後は厳しい。当時の金利は高く、4000万円の物件であれば、総返済額は8000万円を超える。家を売りに出そうとしても、駅から遠い戸建てを買う人はいない。銀行に言われるがまま、高金利を払い続けてきた結果、老後の暮らしはカツカツだ。そうした「悲劇」を繰り返さないポイントとは――。

結婚前に「頭金0円」「低利ローン」でマイホーム買う若者

20~30代の若いカップルから家計相談を受けていて、驚かされることがある。

数年前から「まだ結婚していないのですが、共有名義のマンションを購入している」といったケースに何度も遭遇するようになったのだ。

写真はイメージです(写真=iStock.com/JamesBrey)

ある30代のカップルの場合、「まだ結婚するつもりはなかったんですが、たまたまデートの途中で分譲マンションのモデルルームを見学したら、すごく気に入って、『じゃあ、買って一緒に住もうか』と話が盛り上がり、一気に結婚する運びとなったんです」という。

デートでモデルルームへ行くかという不自然さや、それに乗じた形の変則的プロポーズはいかがなものかと思うが、現実の話だからしかたがない。

現在、そのカップルはすでにその分譲マンションに引っ越し、婚姻届を出し、新婚旅行も済ませている。ただ、結婚式はこれからで、奥さんが妊娠4カ月のため結婚披露宴は赤ちゃんと一緒になる可能性が高いらしい。

いやはや、結婚に対する価値観や順序も変わったのだなぁと感じつつ、「頭金はどうされたんですか?」と聞くと、こうあっけらかんと答えてくれた。

「『頭金0円でも買えますよ』って担当者さんが。それに、住宅ローン金利がものすごく低かったし、返済額はそれぞれの家賃の合計よりちょっと高いくらいみたいだし。今買ったほうがオトクかな、と思って」

たしかに、ここ20年ほど住宅ローン金利は、非常に低い水準で推移している。頭金など自己資金がなくても、また、それほど高くなくても収入がある程度安定していれば、このカップルのように住宅ローンを組めてしまうのも事実だ。

▼30年前に購入した物件の住宅ローン残高がまだ残っている

しかしその一方で、長いこと住宅ローンに苦しむ人もいる。

例えば、高金利だったバブル期にマイホームを購入した人々だ。30年前に30歳前後だった世代であり、いまは老後資金をせっせと貯めるべき時期だが、そんな余裕のないケースも少なくない。なぜなら、住宅ローン残高が予想以上に減っていないからだ。

新築で購入したピカピカの物件も、いまや築30年以上。しかも、バブル期にサラリーマンが購入できた物件は、都心部への通勤にバスと電車を乗り継ぎ片道2時間近くかかるような郊外物件で、いまでは売却も難しい。よしんば、売れたとしても住宅ローン残高とトントンくらいでは買い替えも容易ではない。退職金で一括返済という手もあるが、老後資金に大きな影響が出てくる……。

今回は、そんな八方ふさがり状態の「バブル期にマイホームを購入した人」について見てみよう。

バブル期に購入の4300万円物件、総返済額は8745万円

民間金融機関の住宅ローン金利は、バブル期のピークである1991年(平成3年)以降、劇的に下がっているのがわかる(図表1参照)。

また、ここには出ていないが、長期の固定金利型住宅ローンの代表格ともいうべき「フラット35」の取扱い金融機関の金利の最低金利は、1990年~1991年(平成2~3年)のバブル絶頂期には5~6%台だった。2018年4月時点、同じ固定金利は1.35%だ(返済期間21年以上35年以下、融資率9割以下の場合)。当時に比べて、本当に住宅ローンの金利は低くなった。

▼30歳、頭金800万円で3500万円のローンを組んだ「結末」

そうしたバブル期に住宅ローンを組んで、4000万~5000万円のマイホームを購入した人はかなりいる。そのひとり、1990年に住宅ローンを組んだ千葉県在住のAさん(当時30歳、現在58歳)の事例で試算してみよう。物件価格は4300万円の一戸建て。頭金は800万円で住宅金融公庫(現「住宅金融支援機構」)から3500万円を35年ローンで借りた。金利は当初5.5%、11年目以降7%(元利均等返済、ボーナス払いなし)。

●条件設定
・Aさん(当時30歳)
・年収:700万円
・物件価格:4300万円
・自己資金:800万円
・借入額:3500万円(住宅金融公庫融資)
金利:5.5%(11年目以降7%)/元利均等返済/ボーナス払いなし
・返済期間:35年

上記の条件で住宅ローンを組んだAさんが、これまで28年間、住宅ローン(金利)の見直しを一度もせず、今度も見直さない場合、総返済額はなんと8745万円にのぼる。

購入した物件の価格は4300万円だから、もうひとつ家が買えるだけの金額を返済してきたことになる。ちなみに、もし最初から金利2.5%(全期間固定金利型)で借りることができた場合は、総返済額は約5255万円。その差は約3500万円にもなる。借りる額が大きいだけに、その差もふくらむことがおわかりいただけるだろう。

さらに悩ましいのは、現時点でのAさんの住宅ローンがまだ約1600万円も残っていることだ。返済完了まで、あと9年近くあるのである。売ろうとしても、最近は「駅近」の物件が増えているから、駅から遠くて古い戸建ては買い手がつかない。

金利で借り続け住宅ローンの見直しをしない人の「理由」

この試算を見て、賢明なみなさんは、「そんな高金利で借り続けて、住宅ローンの見直しをしない人なんているのか」と思うだろう。だが、現実にはいるのである。

総合情報サイト「ALL About」を運営するオールアバウトとSBIモーゲージ(現ARUHI)が共同で行った「住宅ローンの借り換えに関する調査」(2015年1月)によると、住宅ローンの借り換え経験の有無について、なんと半数以上が「行ったことはない」と回答している。※東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県在住の30~50代の男女671人を調査。

傾向として、住宅購入から年数がたっているほど借り換え経験者の割合は高くなり、2001~2002年の住宅購入者の約4割が1度か2度の借り換えを行っている。

2001~2002年といえば、住宅ローンの金利は、固定金利型で3.4~3.45%、変動金利型で2.375%だった。前述したように、「フラット35」の金利は2018年4月時点で1.35%のものもある。それでも、6割の人が借り換えを行っていないのだ。

▼住宅ローンを見直さずに放置する人は一定数存在する

なぜ、借り換えをしないのか。

理由について、同調査では「借り換えをする理由が特にないから」(47.1%)、「手数料がかかるから」(32.9%)、「手続きが面倒そうだから」(31.2%)などがあがっている。もっと低利のローンがあるのは知っているが、手間をかけて借り換えるほどのメリットはない、と思い込んでいるのかもしれない。

また「どの金融機関にしたらいいかわからないから」(14.1%)や、少数派とはいえ「住宅ローンの借り換えができるということを知らないから」(1.4%)という回答もあったそうだ。

いずれにしろ関心の低さや知識の乏しさから、住宅ローンを見直さずに放置する、という人は一定数存在しているのである。

高額でもバンバン売れる「億ション」は後が大変

一方、現在の住宅ローン金利が低い水準にあるからといって、これから住宅ローンを組む人も安心してはいけない。たしかに金利は低いが、物件価格は割高な水準にあるといえるからだ。

2000年以降、東京圏および大阪圏の新築分譲マンションの平均価格は、ゆるやかな右肩上がりを続けている(図表1)。

例えば、東京圏の新築分譲マンションの2017年の平均価格は、前年比7.6%の上昇で、27年ぶりの高値をつけた。物件の価格帯別にみると、2013年以降、5000万円以下の物件が減り、5000万円超の物件が増えている。2017年には50%以上が5000万円超だった。

そうした高額物件は、「タワーマンション」が多く、利便性、機能性、相続対策などから需要が堅調だという。2017年の物件価格帯別の平均月契約率を見ると、価格帯が上がるにつれて高くなっており、1億円以上の物件は75.5%と「好調」だという。いわゆる「億ション」にもかなりのニーズがあるようだ。

▼頭金0円で5000万物件を買うと総返済額は……

消費者として、マイホームのベストな購入時期は、「物件価格が低くて、金利水準も低い時」となるが、そうした時期はなかなかない。特にここ数年は、金利は低くても、物件価格は高いので、イメージする物件を購入しようとすると、予算オーバーになる可能性が高い。

実は、冒頭で紹介したカップルが「共働き」を前提に選んだのは、5000万円の分譲マンションだった。

仮に、今年30歳時点、頭金0円、全額住宅ローンでまかなうとすると、1.35%の全期間固定(35年返済)で借りても総返済額は約6277万円。利息は1200万円以上になる。先ほど触れたバブル時代に物件を購入した人よりはずっとマシだが、60歳時点(2043年)の残高は約922万円と1000万円近く残ってしまう計算だ。

しかも、65歳まで住宅ローン返済は続くのだ。どれだけ「仲良し」の夫婦でも、離婚するリスクはゼロではない。そうなればローンを誰が引き受けるのか、財産分与はどうするのか、という問題も抱えることになる。

そう考えると、「頭金0円」で5000万円の物件を半ば衝動買いしたのはいかがなものかと言わざるをえない。やはり結婚当初は賃貸に住み、物件価格の1~2割の頭金が貯まったタイミングで購入するのがセオリーだろう。

今後、マイホームを購入しようという人がいたら、「借りられる額ではなく返せる額をシビアに試算してみること」、そして「住宅ローンに関心をもち、借り換えや繰上げ返済などの見直しをすること」を肝に銘じてほしい。

最後に、バブル期にマイホームを購入したみなさん。「ウチはもう手遅れだ」と諦めずに、本当に大変なことになる前に、今からでも見直しをお勧めしたい。あれこれ、金融機関を選ぶのが面倒なら、まずは、現在借りている銀行で返済方法の見直しができないかシミュレーションしてもらおう。浮いた分で老後のための金融商品を購入するつもりとでも言えば、喜んで試算してくれるだろう。いずれにせよ、返済総額が減れば、その分、多少なりとも老後の負担が軽減できるはずだ。

(写真=iStock.com)