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非正規格差判決「正社員と同等だと胸に響いた」日本郵便の契約社員ら8人が正社員との待遇差の是正を求めた訴訟

以下記事転載

headlines.yahoo.co.jp

非正規格差判決「正社員と同等だと胸に響いた」

3/18(日) 11:03配信

読売新聞

 従業員約40万人の巨大企業「日本郵便」。

 その半数近くを占める非正規労働者の待遇を巡り、正社員との格差を縮める司法判断が大阪、東京両地裁で相次いだ。不合理な待遇差の解消を目指す「同一労働同一賃金」に向けた一歩となるのだろうか。

 ◆「手当同額に」

 「正社員と同等なんだと胸に響いた」「ほかの企業に与える影響も大きい」

 日本郵便契約社員ら8人が正社員との待遇差の是正を求めた訴訟で、大阪地裁は2月、請求の一部を認める判決を言い渡した。原告らは判決後の記者会見でこう語り、笑顔を見せた。

 同社を巡っては、各地で同様の訴訟が起こされ、東京地裁も昨年9月、一部の格差を違法と判断している。いずれも根拠になったのが、正社員との間で不合理な待遇差を設けることを禁じた「労働契約法20条」。非正規社員の増加を受け、2013年に施行された条文だ。

 原告らは集配や仕分け業務にあたっていた。東京地裁は年賀状シーズンの年末年始勤務手当と住居手当を支給しないのは不合理と判断。正社員分の6~8割の支払いを同社に命じた。

 大阪地裁はこの2手当に加え、扶養手当も「家族の生活を保障する手当で、業務内容で必要性が大きく左右されない」と支給を認め、さらに各手当は正社員と同額にすべきだ、とした。

 総務省の17年の調査では全国の非正規労働者約2036万人の9割は年収が300万円未満だった。緒方桂子・南山大教授(労働法)は「諸手当の格差は非正規社員が低賃金に苦しむ一因となってきた。扶養手当は、企業が家族を支える福利厚生的な意味合いがあり、大きな前進だ」と評価する。

 ◆賞与は認めず

 一方で両地裁は労働者にとって特別な収入と言える夏期年末手当(賞与)の格差には合理性があるとした。「長期雇用が前提の正社員に手厚くすることは、優秀な人材の定着を図る人事施策として合理的」「将来の労働意欲の向上策」――。両地裁は理由をそう述べている。

 国は16年に公表した同一労働同一賃金ガイドライン(指針)案で、非正規社員にも業績などへの貢献に応じた賞与支給を求めている。

 だが、厚生労働省が14年に行った調査では、賞与が支給されている正社員は8割超なのに対し、非正規は3割程度。この傾向は2000年代から変わらない。手当の中でも高額で、経営に与える影響が大きいことが背景にある。

 高橋賢司・立正大准教授(労働法)は「賞与は功労に報いるものとの風潮が根強い。だが、非正規社員を長期の不可欠な労働力として雇用している企業は多く、不支給やあまりに低い額は改善すべきだ」と指摘する。

 ◆他企業にも動き

 労働力人口の減少に危機感を持つ企業の間では格差解消を図る動きが出ている。

 全国に約340の直営店を持つ「ドトールコーヒー」(東京)は3か月間、平均週30時間以上の勤務で加入できるパート向けの退職金制度を昨年導入した。会社の負担も生じるが「戦力の非正規雇用者に長く働いてほしい」(担当者)とする。

 百貨店「大丸」などを運営する「J・フロントリテイリング」(東京)も昨年から、一部の有期雇用の従業員を無期雇用に切り替え、正社員と同様に病気休職でも給与は8割が得られるようにした。担当者は「接客業は従業員の士気が業績に影響しやすい。安心して働き続けてもらうことは会社のメリットになる」と話す。

 政府は今国会で非正規社員に対する差別的扱いの禁止や、待遇差についての説明の義務化などを盛り込んだ働き方改革関連法案の提出を目指している。

 最高裁も4月、待遇差を巡る別の訴訟2件の弁論を開く。格差はどこまで許されるのかについて、今夏にも初めての判断を示す見通しだ。

 土田道夫・同志社大教授(労働法)は「日本の賃金体系は複雑で、大きく変えることは難しい。企業には、非正規社員も納得できるバランスの取れた制度運用や、労働者に丁寧に説明する姿勢が求められる」と話す。(黒川絵理)