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新人弁護士「年収100万でファミレスバイト掛け持ち」貧困の実態 哀れワーキングプアに

以下記事転載
http://diamond.jp/articles/-/153826?display=b

新人弁護士「年収100万でファミレスバイト掛け持ち」貧困の実態




司法制度改革で弁護士人口を大幅に増やした結果、若手を中心に食えない弁護士が急増している。ただでさえ、法科大学院の学費など、資格取得にかかるコストも高い弁護士。今や「コスパの悪い資格」と言われる始末だ。(フリージャーナリスト 秋山謙一郎)

年収100万円弁護士が語る
「バイト先の賄い飯がありがたい」

事務所に雇ってもらう「イソ弁」になれず、即独せざるを得ない新人弁護士が増えている。スマホ1本で仕事を取ってきて、顧客との打ち合わせは喫茶店やファミレス。弱者を救うはずの弁護士が、「経済的弱者」になっている時代だ(写真はイメージです)

「ファミレスのアルバイト収入で年収150万円でした。弁護士としての収入は100万円ないです。離婚調停を1件30万円で受けましたが、それが3件だけ。でも、その収入は弁護士会費と国民健康保険、貸与金や奨学金の返済に充てたのでアルバイトで食べています」

 現在、30代前半だという「ソクドク」の「スマ弁」が、その日常と収入をこのように語った。

 ソクドクとは即独、1年目からどこの事務所にも属さず独立した弁護士を指す。スマ弁とは、スマホ1本で仕事を取ってくる弁護士を指す業界用語。彼らの依頼人との打ち合わせ場所は、喫茶店やファミレスである。

 学生時代からファミレスでアルバイトをしているのは、「賄いの食事が出るから」(ソクドク弁護士)だと、屈託なく話す。

「一応、ソクドクでも所長というプライドは、1年目は持ってました。でも今は、弁護士としてのスキルも身につかないので、どこでもいいから雇ってほしいというのが本音です。法テラスのスタッフ弁護士とか企業内弁護士とか…、雇用が安定しているところに就職できれば、本当に弁護士としてやりたいこともできるのですけどね」

 こう語るソクドク弁護士は、少年事件に携わりたいとの思いから弁護士を目指したという。だが実際に弁護士になってみれば、食べていくだけで精一杯。少年事件に関わる余裕はないと話す。手弁当の弁護士も珍しくないほど、刑事事件は収入には結びつきにくいのだ。

 一方、弁護士活動をするには、相応のコストがかかる。

「委員会活動(各弁護士会で行われているテーマごとの委員会、人権、憲法、刑事などがある)、弁護士同士の勉強会、どれもカネは出ません。一方で、法律書ひとつ買うにもカネがかかります。図書館を活用するなどして節約していますが、それも限界があります。一度、廃業して、どこかに就職するにしても『弁護士資格』が災いして難しいのです」

 実際、このソクドク弁護士は、いくつかの企業に履歴書を送り、面接の申し込みをしたが、1社を除いてすべて門前払いだった。やっと面接に漕ぎ着けた1社では、「何か弁護士として問題を起こしたのでは?」と疑われて結局、採用には至らなかった。いくら文系最高峰の難関資格といえども、ただ弁護士バッジを持っているというだけでは一般企業への就職もままならないのだ。

「このまま、弁護士を続けていくにしても、依頼が増えなければ、年間50万円かかる弁護士会の会費を支払うだけで終わってしまいそうです。少年事件を手掛けるなんて“夢のまた夢”ですね…」

弁護士は司法書士行政書士よりも「コスパが悪い」資格に

「殴ってでも、それは止めなければなりませんよ」――。

 今年3月、愛知県名古屋市で行われた弁護士同士の懇親会での席上、あるベテラン弁護士が、「息子が私の後を継いで弁護士になりたいと言っている」と話すや否や、30代の若手弁護士が間髪入れずに、こう声を張り上げた。

 弁護士が、「高収入は当たり前の文系最高峰資格」と言われたのも今は昔。現在では、法律事務所の軒先を借りて業務をし、完全独立採算制という、非正規雇用型弁護士「ノキ弁」は珍しくなく、さらに軒先すら借りられない「ソクドク」、「スマ弁」といった、苦しいデビューを強いられる弁護士の数が急増している。

 かつてなら、事務所に「社員」として入社し、「ボス弁」(所長弁護士)の下、「アニ弁」「アネ弁」(先輩弁護士)から「弁護士のイロハ」を教わりながら一人前を目指すという、「イソ弁」(居候弁護士の略)が一般的だったが、今ではイソ弁になれない若手弁護士が大勢いるのだ。その結果、1年目弁護士の収入は過去10年で半減し、年収から弁護士会費などの経費を引いた所得を見てみると、なんと300万円時代が到来してしまった。

 ソウドクや軒弁、スマ弁では、数多くの事件を手がけられないため、家庭教師や警備員、コンビニやファミレスの店員といったアルバイトを掛け持ちしながら弁護士業を行っている者もいる。冒頭の若きソクドク弁護士も、そんな1人だ。

 一方、弁護士になるのには、医師になるのとほぼ同じといわれるほどのコストがかかる。それなのに、資格を得てからの実入りが少ない「コスパの悪い資格」(愛知県弁護士会所属の30代弁護士)になってしまった。

 実際、司法試験合格者を数多く輩出している法律予備校の関係者らは、「コスパという点では、たった1回のペーパーテストに合格しさえすれば資格取得、開業できる司法書士行政書士のほうに軍配が上がる」と口を揃える始末だ。

法律事務所はブラック企業並み!?「浅ましい弁護士が増えた」

 今年、弁護士登録をしたばかりの1年目の新人、イソ弁として勤務する弁護士が言う。

「昔は司法修習生時代、給与が出ました。でも今は出ません。実際に修習生時代、食べていくのも大変でした。本当に苦しかったから生活保護受給を申し込もうと思ったのですが、修習生の生活保護受給は難しいと自治体の窓口で門前払いでした。これ、国賠訴訟起こしてもいいですよね?」

 弁護士デビューにこぎ着けた今も、苦境は続いている。月収は約30万店程度。法科大学院時代の奨学金司法修習生時代の貸与金などの“借金”の返済、弁護士会費、国民健康保険、アパート家賃などを支払えば、手元に残るのは10万円にも満たないという。

 イソ弁は一応、社員相当の扱いなのだが、かつてと比べれば、その雇用条件は随分劣化した。たとえば、昔ならボス弁が払ってくれるのが慣例だった弁護士会費は自腹だし、社会保険の事務所は減って国民健康保険も珍しくなくなった。

 今年、関西で弁護士登録をしたばかりの2年目イソ弁は、法律事務所での勤務実態は「ブラック企業並み」だと話す。

「朝は7時出勤、夜は21時頃、遅ければ23時退勤です。とにかく仕事量がやたらと多い。それでも弁護士をさせていただけるだけ、まだマシなのでしょうが…」

 大手民間企業勤務を経てイソ弁になったというこの2年目弁護士は現在、40代前半。民間企業時代の同期の年収は1000万円を超えているという。

「私の年収は昨年で450万円くらいです。(諸経費を引いた)所得だと300万円くらいです。もう少し稼がないと、『弁護士として弱者を救済したい』という志も段々、薄れていきそうで怖いです。今は、自分が経済的弱者ですから」

 最近、弁護士が、かつてと比べて浅ましくなったという声を時折耳にする。実際、今回の取材依頼でも、「取材謝礼は出るのですか?」「弁護士報酬基準に合わせて30分5000円税抜きで」という弁護士も何人かいたくらいだ。不思議と、それは年齢にすると30代以下の弁護士に多い。オールドタイプの弁護士にはまず見られない状況だ。

弁護士を食えない商売にした司法制度改革の罪

 なぜ、こんな悲惨な業界になってしまったのか。すべては1999年以降、段階的に推し進められてきた司法制度改革による弁護士人口の増加が原因である。弁護士の“飯のタネ”は事件だ。特に、民事事件が弁護士の主な収入源となるが、事件など、そうそう増えるものではない。事件の数=仕事が増えず、弁護士の数が増えれば、食えない弁護士が出てくるのは自明の理だ。

 それにしても、こんな簡単なことを予想できなかったのだろうか。司法制度改革を推し進めてきた財界筋の1 人は次のように漏らす。

「気軽に病院や歯医者に行くように、ごく一般の市民も司法サービスが受けられる環境を整えたかった…」

 弁護士の数は増えたといっても全国で3万7680人(『2016年弁護士白書』)。医師の31万1205人、歯科医師の10万3972人と比べると、その数はまだまだ多いとはいえない。しかし、私たちごく普通の市民が、風邪を引いたから病院へ、歯が痛むから歯医者へ――というように、気軽に弁護士のところへ駆け込むかといえば、そうではない。

 ひどく揉めていない離婚問題なら、弁護士などつけずに家庭裁判所へ。借金問題なら、140万円までの額であれば弁護士の近接業種として知られる司法書士でも取り扱っている。多くのビジネスパーソンにとって「生涯最大の買い物」となるマイホームを購入した際、登記を頼むのは司法書士。自動車検査や古物商を営む際、書類作成を頼むのは行政書士だ。

 つまり、一般市民の生活と密接に関わった司法サービスを提供しているのは、弁護士よりも、むしろ司法書士行政書士なのだ。大阪府司法書士行政書士を兼業する男性は言う。

「不動産業者と中古車販売業、風俗店などに食い込めば、十分食べていけますから」

 リピーターが見込める司法書士行政書士と違い、弁護士の場合はそうはいかない。そもそも弁護士に相談するトラブルとは、こじれた離婚問題や相続、個人再生や自己破産といった高額の借金問題、債務整理、犯罪に絡むこと…つまり、人生を左右する一大事に限られる。弁護士と縁のないまま生涯を終える人も大勢いる。大阪府弁護士会所属の、中堅といっていい弁護士歴を誇る40代弁護士は言う。

「離婚問題を依頼してきた顧客が、また次の離婚も同じ弁護士に依頼するかといえば、それはちょっと違いますよね?遺産相続なども、1回頼んで解決したら、もう弁護士との縁はそれで終わりです。医師や歯医者と違って、継続的に弁護士と付き合いを持つ依頼人なんて、そうはいないのです」

後輩を育てる余裕はなし世知辛い業界事情

 もちろん、頻繁に弁護士に業務を依頼をする顧客もいる。たとえば大企業は、M&Aなど契約関係書類から内部統制関連業務、法人の設立や事業立ち上げなど、弁護士を必要とする業務がたくさんあるが、これらは企業内弁護士や“渉外系”と呼ばれる大手事務所が手がけることが多い。他方、「街弁(まちべん)」「八百屋弁護士」と呼ばれる、ごく一般の人の法律トラブルを対象とする小規模法律事務所の場合、“リピーター”は刑事事件に連座する機会の多い暴力団関係者や風俗店経営者など、ごく少数に過ぎない。

 もっとも、この刑事事件に強いとされているのは「ヤメ検」と呼ばれる元検察官の弁護士だ。しかし「ヤメ検」であっても、ラクに食っていけるほど甘くはない。元検察官の弁護士はその実態を次のように語った。

暴力団関係者のうち、潤沢な弁護士費用を用意できるのは、今では大親分クラスに限られています。それ以外なら、それこそ家族に頼ってカネをかき集めて、やっと弁護士費用を捻出できるかどうかです。収益分野としては、やはり民事事件です」

 しかし過払い返還バブルが弾けた2012年以降、民事事件の数は激減したまま。司法制度改革に反対の立場を取る弁護士の1人は、ここ十年来、弁護士会の雰囲気が随分と「商売気」溢れるものに変わってきたと言う。

「弁護士が、自らの研鑽を深める場としてOJT機能の役割を果たしてきた、弁護士会の『刑事委員会』『人権委員会』といった“委員会活動”への参加を渋るようになってきたのです。かつては所属事務所など関係なく、先輩が後輩に知識を伝える場でした。でも今は、かつてのような自由闊達な雰囲気はありません」

 ただでさえ“飯のタネ”、即ち民事事件が少なくなった今、「わざわざ“商売敵”となる後輩弁護士を育てる必要はない」(京都府弁護士会所属40代弁護士)との理由からである。

 食えない新人弁護士が溢れ、ベテランも後輩たちを育てる気概を失った弁護士業界。かつて関西で弁護士会副会長を務めた弁護士は次のように語る。

「これでは新人弁護士が育たず、司法が歪む恐れがある。そのツケを支払うのはごく一般の市民にほからなない」

 裁判官、検察官と並ぶ法曹三者といっても、弁護士は「サービス業」に位置する、在野の職業である。カネに汚く悪事を働くというのでは論外だが、さりとて度を超えた低収入でも志を高く保てと、“清貧”を強いるのも無理がある。

 

「衣食足りて礼節を知る」とは先人の言葉だが、弁護士とて同じ。法律家としての最低限の矜持を保てるだけのサラリーを整えておかなければ、司法が歪みかねない。ひいては、私たち市民の権利も守られなくなる。弁護士界だけの問題とせず、法治国家である社会で暮らす私たち自身の問題として、向き合うべき問題だ。