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地裁で無罪判決4件相次ぐ 「明らかな虚偽とさえ評価できる記載がある」として、押収品などを「違法収集証拠」

以下記事転載

sp.yomiuri.co.jp

地裁で無罪判決4件相次ぐ、識者から疑問の声も

 宇都宮地裁で今年、強姦ごうかんや強制わいせつ、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死)などの事件で無罪判決が相次いでいる。

 無罪となったのは11月末までに少なくとも4件あり、捜査側が提出した証拠品や被害者の証言、実況見分の結果に「証明力がない」などと判断した。うち1件は宇都宮地検による控訴を受けて、東京高裁が地裁判決を破棄し、地裁に審理を差し戻した。ほかの3件も地検が控訴しており、高裁の判断が注目される。

 地裁は2012~16年で、年間800~1000件前後の刑事事件を扱ったが、無罪判決は13年、16年に各2件、14年に1件だった。

 17年の無罪判決4件のうち、5月22日に出された覚醒剤取締法違反と大麻取締法違反事件の判決では、栃木県警が被告から採尿する際の令状請求書面に「明らかな虚偽とさえ評価できる記載がある」として、押収品などを「違法収集証拠」として排除した。

 これに対し、高裁判決は「捜査に違法はなく、一部不適切な表現を過大に評価して証拠を排除した訴訟手続きには、明らかな法令違反がある」と批判。地裁判決を破棄し、審理を地裁に差し戻した。

 また、10月20日の強姦と強盗未遂事件の地裁判決では、被告の体液が付着していたとする被害者の着衣がポリ袋に封印されていたことを示す写真がなく、袋も破棄されていたことから、捜査側が逮捕後に体液を付着させた疑いもあるとして「証拠としては無意味」と指摘した。

 この判決に対し、白鴎大の村岡啓一教授(刑事訴訟法)は「逆に、捜査側の作為や改ざんを想定させる状況証拠がないのに」と疑問を投げかける。

 11月6日の自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死)に対する無罪判決にも、識者からは異論が出ている。県警は実況見分で、車のフロントガラスが事故で割れ、車内から外を見通せなかったことから、被告を運転席ではなく車の外で、座った場合の目の高さまでしゃがませ、被害者が発見できたかどうか確認した。

 しかし、地裁はこれについて「同じ車の運転席に座った状態でないと、被害者の姿を発見して事故を回避できたかどうか証明できず、過失認定できない」とした。このため地検は、同じ車を使って再見分を実施。当初の見分と結果が同じであることを確認し、控訴した。

 刑事訴訟法では「裁判所は、事実発見のため必要があるときは、検証することができる」とされている。元裁判官の木谷明弁護士(東京)は「無罪にするからには、紙の上だけで抽象的な判断をせず、裁判官も現場に出向いたほうがいい」と話している。

          ◇

 日本の刑事裁判では、検察が起訴した場合の1審判決の99%が有罪になるとされる中、捜査側の姿勢に厳しい目が向けられているのも事実だ。県警幹部の一人は「『逮捕して終わり』『起訴されれば勝ち』という意識が警察全体に残っているかもしれない」と語る。

 村岡教授は「栃木県警には足利事件など、過去に冤罪えんざいもあった。地裁の要求水準は確かに高いが、無罪判決は『ずさんな捜査は許さない』とのメッセージでもある」とみている。

 県警刑事総務課は「『警察の捜査は適正だ』という前提に立って事実認定してもらえる時代ではない。捜査の精度を高めていく必要がある」としている。