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パワハラ訴訟実例と勝訴するために知るべき3つのポイント  記事転載

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【目次】以下記事転載
パワハラでの訴訟の過去の実例
パワハラでの訴訟で知っておくべきポイント
パワハラで訴訟する際に必要な証拠
パワハラの訴訟にかかる費用
パワハラの慰謝料相場はおおよそ50~100万円
パワハラで訴訟するまでの手順
まとめ

     パワハラでの訴訟の過去の実例

過去にパワハラで訴訟を起こしたケースは多くあります。もちろんどんなに酷いパワハラであっても、必ず勝訴になるとは限りません。今までの実例を見ていくことで、パワハラでの訴訟の傾向が分かります。まずは、パワハラでの訴訟の実例を見てみましょう。

実例については、厚生労働省が運営する「あかるい職場応援団」で取り上げられた例を参考にさせていただいております。
 

誠昇会北本共済病院事件

准看護師として勤務していたAが、上司に当たるBから個人的な命令をされたり、飲み会に朝まで無理やり付き合わせたり、「死ねよ」「殺すぞ」などの暴言・メールを受けた結果Aが自殺し、Aの遺族がBと病院に対し訴訟を起こした事件です。
 
Aの自殺はBのパワハラが原因のものと認められBに対し1,000万円、病院とBが連帯して500万円の損害賠償責任を負うように命じました。
 

日本ファンド事件

消費者金融の従業員3人が会社と上司に対して、パワハラ訴訟を起こした例です。原告A、B、CのうちAは抑うつ状態になり休業しました。Aに対し60万円の慰謝料と治療費、休業補償、Bに対し慰謝料40万円を、Cに対し慰謝料10万円の支払い命令を、上司と会社に命じました。
 
上司のパワハラの内容としては、本来扇風機が不必要な時期にA,Bに対して当て続けたこと、「給料をもらいながら仕事をしていませんでした」などと理不尽な始末書を書かせたこと、Cに対して背中を殴打したり、叱責しながら足で蹴るなどの行為をしていました。

 

ザ・ウィンザーホテルズインターナショナル事件

上司から受けたパワハラが原因で精神疾患を発症し、長期間の休業を余儀なくされた末に自然退職扱いにされたとして、自然退職扱い後も会社の従業員としての権利があるとして、賃金を請求する訴訟を起こした事例です。
 
判決としては、精神的苦痛による慰謝料150万円は認められたものの、精神疾患パワハラの関連性は認められず、自然退職後の賃金請求は退けられました。
 

長崎・海上自衛隊員自殺事件

海上自衛隊員が上官からの執拗な誹謗を受け、うつ病の末に自殺したとして、自殺した自衛隊員の遺族が国に対して慰謝料の請求を求めた事件です。判決は、国に安全配慮義務違反があるとして、遺族に350万円の支払いを命じました。「馬鹿か」「覚えが悪い」といった発言は、指導の域を超えており、パワハラと認定されました。
 

大阪府障害者福祉事業団事件

職員のAが職場で利用者に対し虐待が行なわれているという、内部告発をした件で上司が逆恨みし、Aが非違行為をしていると虚偽の報告をされたことで、Aが慰謝料150万円の訴訟を起こした事件です。
 
更には、別の上司から暴言を受けたり、雇い止めの通知、不当な配置転換、職場での無視などを受けました。職場で虐待が行なわれており、それを告発したことによる、今回のパワハラは、一見ひどい内容に思えますが、裁判所の判断はAの請求の棄却でした。
 
理由としては、Aの主張には証拠が少なく、また、日誌にも同僚に対して屈辱的な事を書いていたとして、客観的に判断した結果、職場での人間関係が悪化したAが不愉快に感じていただけという判断がされました。

     パワハラでの訴訟で知っておくべきポイント

上記の例を参考に、パワハラでの訴訟の傾向を解説します。
 

慰謝料請求はパワハラを行っていた本人と会社に行なう

パワハラは基本的に個人間の問題です。しかし、上司から酷いパワハラを受けていて「もう許せない」と訴訟を起こせば、会社にも影響が出ることを頭においておきましょう。言い換えるならば、パワハラ被害を受けたのであれば、先に他の上司に相談したり、人事部、組合に報告して下さい。
 
そのような方法を取ってみても「全く動いてくれない」「むしろ更に酷い扱いを受けた」というような状況になったのであれば、パワハラ相手だけではなく会社も含め、パワハラでの訴訟を考えて下さい。

証拠が重要

パワハラでは何よりも証拠が重要になります。上記の例で出した「大阪府障害者福祉事業団事件」の簡単な概要は「利用者が虐待を受けていたので、それを報告したらパワハラを受けるようになった」という、なんとも許しがたい事例です。
 
しかし、誤解を恐れずに言うと、裁判官は正義の味方ではありません。客観的な証拠に基づき事実を判断し、法のもと適切な判決を下すまでです。真実は証拠がないことには理解してもらえません。

 

上記の例は、証拠がなかったので、原告が過大に訴えていたのか、事業所が隠し通したのかの真実は分かりませんでした。

 

他の不当性も考えられる

パワハラと言えば、受けた被害の慰謝料請求が真っ先に考えられるでしょう。しかし、パワハラが蔓延している会社には、おおよそ他の問題があったりするものです。例えば、パワハラを本社に訴えたら、上司に逆恨みされて解雇の通知が来たり、「仕事が終わるまで帰るな」と長時間労働を強いられたりすることです。
 
この場合、不当解雇残業代請求や他の未払賃金も請求をすることが出来ます。この場合、さらにそれぞれに応じた証拠も必要になってくるので、リンク先の記事を参考にして下さい。

 

     パワハラで訴訟する際に必要な証拠

パワハラで訴訟をするにあたって、非常に重要になるものが証拠です。特にパワハラは、暴言や態度などの証拠に残りづらいものが多く、いくら酷いパワハラを受けていたとしても、明確な証拠が無く、相手に「そんなことはありません」と白を切られてしまえば、言った言わないの水掛け論になってしまいます。
 

パワハラを受けた事実を証明する証拠

何よりも重要になることはパワハラを受けたという事実を証明する証拠です。パワハラは特に暴言による形として残らない方法で行われることがほとんどです。一番有効な手段としては、ボイスレコーダーによる録音です。

 

最近では、スマートフォンのアプリでも録音できますので、身を守るためにできる限り録音しておくことをお勧めします。

 
他にも、パワハラで受けた内容を日記のような形で残しておいたり、同僚の証言を集めることも出来ます。とにかくパワハラを裁判所に訴えようとお考えであれば、パワハラを受けるたびに形に残しておくことを心がけて下さい。

 

断続的パワハラを受けていたという証拠

さらにパワハラを受けていた期間が長くなればなるほど認められやすくなります。「いつ」パワハラを受けたかもしっかりと残しておきましょう。また、パワハラを会社に訴えたのに、動いてくれなかったり、逆に不当な扱いを受けたのであれば、その時の状況も形として残しておきましょう。
 

パワハラでの被害を証明する証拠

パワハラよって実害が出たのであれば、そのことを証明する証拠も揃えましょう。例えば、精神疾患になってしまったのであれば、病院の診断書、部署異動や解雇を強要するような発言があれば、その事実を証明できる証言・通達なども用意します。
 
更には、パワハラとその実害の関連性を証明する必要があります。例えば、うつ病と診断されたのであれば、「上司からもう来るなと言われた」→「次の日から会社に行くことが苦痛になった」→「3日後に心療内科に行ったらうつ病と診断された」というような時系列で証明できると良いでしょう。

 

 

     パワハラの訴訟にかかる費用

パワハラの訴訟にかかる費用は大きく分けると2種類になります。1つは訴訟を起こす際に必要となる「手数料」。もう一つが、訴訟を個人で起こすことは難しいので、弁護士に依頼する際の「弁護士費用」です。
 

訴訟の際の手数料

訴訟を起こす場合、必ず慰謝料等の損害賠償を請求しますが、損害賠償の請求額に応じて手数料が変わってきます。
 

訴訟額

手数料額

100万円以内

訴訟額10万円ごとに+1,000円

100~500万円

10,000円と訴訟額20万円ごとに+1,000円

500~1,000万円

30,000円と訴訟額50万円ごとに+2,000円

1,000万~10億円

50,000円と訴訟額100万円ごとに+3,000円

 
例えば、800万円の損害賠償を請求したとしましょう。その場合、30,000+2,000×6(50万円が6回)=42,000円の手数料となります。わかりにくい方は裁判所のHPにも早見表が掲載されています。
 

弁護士費用の相場

パワハラでの弁護士費用はおおよそ50~100万円になります。弁護士費用は高額なイメージが有りますが、その通り高額になってしまいます。弁護士費用を特に大きく分けると、着手金と報酬金に別れます。
 

❏着手金

着手金とは、弁護士に依頼する際にかかってくる費用です。つまり、訴訟に勝っても負けても支払わなくてはなりません。相場としては、訴訟額の8%程度ですが、あらかじめ金額を設定していたり、着手金ゼロ円を謳っている弁護士事務所もあり様々です。
 

❏報酬金

報酬金とは、訴訟で勝訴になり、受け取ることになった金額に応じて支払う費用です。基本的に獲得金の割合で設定している弁護士事務所が多く、相場としては16%です。こちらも着手金はゼロ円だけど、報酬金の割合が高いなど弁護士事務所によって違います。
 

❏その他費用

弁護士費用は上記の2つだけではありません。例えば、面談を行ったら1時間1万円や、書類の作成費用、弁護士が裁判所まで移動した交通費などが加算されることもあります。弁護士相談は、費用の事も詳しく聞き、こちらがいくらまでなら用意できるかなども費用面の相談もしましょう。
 

 

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手数料は負ければ自費、弁護士費用は自費負担

手数料は訴訟に負ければ自費、弁護士費用は基本的に自費という一般的な傾向があります。裁判費用は裁判の結果で左右されることは、分かりやすいですね。
 
一方、訴訟でかかった弁護士費用は、原則的に自費ですが、相手に請求することも可能です。相手のパワハラの内容や被害が大きく違法性が強い時に、弁護士費用も請求することも可能です。
 
一方、何の根拠もなく相手を訴訟してしまった場合、相手が用意した弁護士の費用を請求されかねませんのでお気をつけ下さい。
 

     パワハラの慰謝料相場はおおよそ50~100万円

パワハラの慰謝料相場は一概にいえませんが、50~100万円になります。これは、パワハラの内容が悪質だったり、パワハラを受けた人が自殺してしまった要な場合は高額になり、状況に応じて大きく変わるからです。

慰謝料の金額を左右する要因

パワハラの慰謝料金額を決める要因は様々な観点から考えられ、一概には言い切れませんが、ここで簡単にパワハラの慰謝料を左右することが考えられる要因をご紹介します。
 

パワハラの内容

パワハラの内容が悪質であればあるほど慰謝料も上がります。パワハラに明確な定義がないため、何を持って悪質と判断するかは難しいところですが、過去の判例を元に客観的に判断されます。
 

パワハラ相手の立場

パワハラはほとんどが上司から行なわれる事になるでしょうが、自身と相手の立場、力関係の差が大きくなればなるほど慰謝料の額も大きくなることが考えられます。
 

パワハラを受けていた期間・頻度

パワハラを受けていた期間がながければ長いほど慰謝料の相場も上がります。また、パワハラの頻度が多くても同じことが言えるでしょう。
 

パワハラ相手の数

上司にあたる人間が3人いたとして、全員からそれぞれパワハラを受けているようでしたら、1人からパワハラを受けるよりも慰謝料は上がる傾向にあるでしょう。一方、パワハラを受けた被害者が同期全員といったように多ければ、個々の慰謝料も下がる傾向です。
 

パワハラに対する会社の対応

パワハラをなんとかして欲しい」と、会社に訴えたにも関わらず、何の助けもなかったような場合、会社の安全配慮義務違反が問われ慰謝料も上がります。また、加害者本人に伝えた場合も同じく、パワハラと認識していて更にパワハラを繰り返したことから、慰謝料も上がる要因になるでしょう。
 

パワハラでの実害

パワハラよってうつ病になってしまった、自殺してしまった、退職に追いやられた。などの実害があり、パワハラとの関連性が認められると、慰謝料も被害に応じて上がっていきます。
 

     パワハラで訴訟するまでの手順

それでは、パワハラで訴訟を考えている方にパワハラで訴訟を起こすまでの手順を解説します。
 

まずは証拠を集める

上記でも既に述べていますが、パワハラでの訴訟は証拠が何よりです。確かに辛いかもしれませんが、「もう無理」と訴訟を起こしても、証拠が不十分で敗訴になってしまえば、余計な労力と心労で更にダメージを受けてしまいます。
 
パワハラを受けながらも、「いつかやり返してやる」と心に秘め、証拠を集めていって下さい。
 

パワハラ相手に直訴する

かなり勇気のいることですが、パワハラをしている張本人に「止めて下さい」という訴えを初期段階で行ないましょう。実はパワハラをしている張本人はそのつもりがないこともあるのです。当事者同士で解決することが一番良いことでしょう。
 
なぜ、証拠集めを最初にするかというと、「これはパワハラです。証拠があるのでこれ以上は止めて下さい。もし、改善されないようでしたら会社にも報告します。」と説得力を持って訴えることが出来るからです。
 
また、パワハラだと相手に言ったことで、逆に「ふざけるな」と余計パワハラがひどくなれば、その内容も相手がパワハラと知っていて行い続けたという重要な証拠になりますので、やり取りを証拠として残すようにして下さい。
 
一人でパワハラ上司に立ち向かうことは、勇気がいるでしょうから、事前に心の許せる同期などと結束し、味方を増やしておくと良いでしょう。
 

会社に相談する

次にまだ会社に相談されていない方は、会社への相談です。ここで言う会社というのは、他の上司であったり、パワハラ上司の上司であったり、人事部、労働組合などで信頼が置ける人を相手に相談しましょう。こちらでも証拠があるとより積極的な相談ができます。
 

社外に相談する

会社に相談しても相手にされなかったり、パワハラ相手の耳に入り余計パワハラが酷くなってしまった場合は、いよいよ会社も敵に回すことを考え、社外へと相談します。
 
「とにかく辛い」「早く止めさせたい」「もうどうすればいいか分からない」と言う、様々な思いがあるでしょう。状況にあった相談先を探して下さい。「パワハラの相談窓口と解決のために今からできること
 

弁護士に相談する

これら方法を試してみても、問題は解決しないこともあるでしょう。その場合、いよいよパワハラでの訴訟を考えます。パワハラでの訴訟は必ず事前に弁護士に費用面も含めて相談して下さい。「厳選 労働問題弁護士ナビ」では、労働問題を得意とする弁護士に限って掲載しております。パワハラで訴訟を起こす際の弁護士選びの参考にされて下さい。
 

 
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     まとめ

いかがでしょうか。パワハラでの訴訟は最終手段ともお考え下さい。あらゆる手を打ってもパワハラ