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派遣社員の選考面接は禁止なのに掟破りが横行する・・・

以下記事転載

 

派遣社員の選考面接は禁止なのに掟破りが横行する理由

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171114-00149321-diamond-bus_all

 

11/14(火) 6:00配信

 

派遣社員就業では面接は禁止、というルールの裏をかいくぐるために存在するのが「職場見学」。しかし色々なルールがあるため、スケジュール調整に苦労する人事部は少なくない(写真はイメージです)

 「派遣社員の選考や面接をしてはならないが、会社見学と表現するならば、1回は実施してもよい…」。派遣社員就業には“掟”があり、掟破りの手口も横行している。しかしこの掟も掟破りも、そもそもトンデモな理由から生まれている。(モチベーションファクター株式会社代表取締役 山口博)

● 派遣就業を巡る“掟”を あの手この手で破る

 派遣社員が就業したり、就業先企業が派遣社員を受け入れたりするにあたっては、トンデモな掟が存在している。「就業先企業は、どの派遣社員に就業してもらうかを選択することができず、従って、派遣社員の選考や面接をすることができない」というものだ。

 このように書くと、違和感を覚える読者が多いに違いない。「自分の会社では、選りすぐって派遣社員を採用している」「受付スタッフは派遣社員だが、明らかに選考しているはずだ」「先日、派遣社員の面接が行われていた」という反応が聞こえてくる。

 「派遣社員の選考や面接をすることができない」という掟があるが、「選考や面接をしている」というのが実態である。そう、この掟には、さまざまな抜け道があるのだ。

 就業先企業は派遣社員の選考をすることができないので、派遣社員の履歴書を取り寄せて見ることができない。そのかわりに、「キャリアシート」という名の、派遣社員の氏名や年齢、学歴、過去に就業した企業などの詳細や固有名詞を伏せた資料が、派遣会社から就業先企業へ送付される。就業先企業の人事部は不便ではあるが、固有名詞が伏されたキャリアシートをもとに選考している。

 面接することができないので、「派遣社員の採用面接」という表現をすることができない。その代わりに、「派遣社員の職場見学」という表現が用いられる。

 選考や面接をすることができないので、職場見学(という名の面接)は、一度きりしか実施してはならない。例えば、派遣社員に社長秘書として働いてもらいたい場合、ボスになる社長と人事部長、そして候補の派遣社員の三者が、会えるようにスケジュール調整しなければならない。もしそれができなければ、事前に顔合わせすることがなく就業が開始されたり、逆に見合わせたりする。

 この職場面接のアレンジは結構面倒で、就業先企業の人事部はスケジュール調整に難儀しているものだ。

  •  全国で行われている 不毛なやり取り

     就業先企業と派遣会社との間では、次の会話が必ずと言っていいほど繰り返される。

     ・「履歴書は送ってもらえないのか」に対し「送ってはいけないことになっているのでキャリアシートを送る」
    ・「面接はいつにするか」に対し「面接という表現は使ってはいけないので職場見学と言ってくれ」
    ・「職場見学は一度しかできないのか」に対し「一度しかできない」

     実に不毛なやりとりである。

     人事部の派遣社員担当者は、履歴書ならぬキャリアシートの読み方に慣れ、職場見学という表現に慣れ、スケジュール調整に長けて一人前と言われるのだ。こうしたことを覚えることが、果たして生産的なことなのだろうか。

     そもそも、この派遣就業を巡る掟の存在自体がおかしい。派遣社員からみても、就業先企業からみても、お互いによく知らないのに、就業するかしないかを判断せざるを得ないなんて滅茶苦茶である。

     「正社員採用ならいざ知らず、派遣社員なのだから、そういうものだろう」と考える派遣社員もいるだろうし、「派遣社員採用に労力をかけられない」という人事部担当者もいるだろう。しかしこのことが、派遣社員の定着を阻害しているのではないか。そして実際、この掟がおかしいからこそ、前述したようなキャリアシート作成や職場見学という抜け穴を多くの企業が利用するのだ。

     私には、この掟が派遣社員にも、派遣会社にも、そして人事部にも、何のメリットももたらさないと思える。三者それぞれ、費やさなくてもよい時間と労力を負担し、あげくの果てに派遣社員の定着率を悪化させている。全国で行われている時間と労力の総和を想像すると、気が遠くなるような話だ。
  •  派遣会社の過剰反応が 生産性を低下させる

     実は、この話には、なんともやるせないオチがある。

     この掟は、「労働者派遣(紹介予定派遣を除く)の役務の提供を受けようとする者は、労働者派遣契約の締結に際し、当該労働者派遣契約に基づく労働者派遣に係る派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない」と定めた労働者派遣法26条7項に基づくものだ。

     法律の文末に注目してほしい。「努めなければならない」とは、いわば“努力目標”と受け取るべき表現だ。そもそも努力目標なのであれば、三者の前記の反応は過剰過ぎるのではないか。にもかかわらず、義務として派遣社員や就業先企業に強要される一方、掟破りが横行しているのは、過去に業務停止に直面した派遣会社の過剰反応であると思えてならないのだ。

     派遣社員は、就業先企業によって雇用されるのではない。雇用ではないので、選考も面接もしてはならない。この理屈は分からなくはないが、多様化する働き方を認めて就業力を増大させ、そもそも生産性を高めていくためにはどうしたらよいかという視点から見れば、この掟自体が、生産性向上の阻害要因になっていることは、確かではないだろうか。

山口 博