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かけだし消費生活相談員、悪戦苦闘。 ブログの情報・・・消費者センターの活動内容が分かります・記事転載

以下記事転載

 

 

かけだし消費生活相談...

http://d.hatena.ne.jp/csc3/touch/20090210/1233987844

2009-02-07 15:24

挨拶

<挨拶>

2009年現在、この仕事を始めて

1年数ヶ月目の消費生活相談。

私個人の相談処理件数は2000件弱、救済額は1億円程度。

まだそんな新人だからできる表現もあるかもしれません。

少しでも消費生活センターの認知度が高まることを祈って。

2011年9月追記

 少しだけ順番等手直しをして再アップしました。

 

 

かけだし消費生活相談員、悪戦苦闘。

ブログの情報

消費生活センターの若手相談員による業務紹介。

http://d.hatena.ne.jp/csc3/touch/about

 

  • 日記をつけた日数: 6日

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プロフィール

一行紹介

地方自治体の消費生活センター相談員。「悪徳商法では」と駆け込んでくる消費者への助言、業者との斡旋交渉、国民生活センターへの報告に追われる毎日。(相談にはリンク集の各地のセンター等をご利用下さい)

メールアドレス

csc3@mail.goo.ne.jp

自己紹介

一消費生活相談員のプロフィール

<プロフィール> | 15:22

とある地方自治体の消費生活センター相談員。「悪徳商法では」と駆け込んでくる消費者への助言、業者との斡旋交渉、国民生活センターへの報告に追われる目の回るような毎日。中規模な地方都市に在住

 

弁護士も毎年多数輩出している法学部を卒業していますが、当時は消費者法の講義なんてなかった。某有名外食チェーン店で食後に救急車で運ばれて入院するほどのショック状態に。その後その店では禁止されている添加物が入っていたことを知り、消費者問題に関心を。人材会社、NPOなどを経て、消費生活センターに専門相談員として勤務中。資格は「消費生活専門相談員」(国民生活センター所長認定)。他に「行政書士試験合格」「個人情報保護士」なども。

 

私が勤務している消費生活センター都道府県のセンター。専門相談員の数は四捨五入すれば10になる人数(市レベルだと1人体制の相談窓口もあります)。うちの地方自治体の財政難もあり、予算は毎年のように半減中。人件費も削られています。実施した行政処分の数をみても、あまり消費者行政に熱心な自治体とは言えないほうです。

 

身分は全国95%の相談員と同じく、非常勤の嘱託地方公務員。月曜から金曜まで息つく暇のないフルタイム勤務で、サービス残業も日常化していますが、ボーナスもなく年収は手取り150万円程度…

 

これだけ専門性が高いのに、シンドイ仕事なのに、求職中のオペレーターのアルバイト時代より安い時給です。当初は体を壊していたこともあり、「給与が安いから楽な仕事だろう」とバイト気分ではじめたところ、相談業務の奥の深さ、消費者被害の深刻さ、そして、相談員として取得すべき知識経験の多さに圧倒され、「忙しいのにワーキングプア」なこの世界にどっぷり。未熟ですが先輩たちに支えられ、どうにか頑張っています。

 

2009年1月現在、2年目の私が処理した相談件数はまだ2千件近く、あっせん交渉や助言の救済金額として明らかに判明しているのは1億円ぐらい。この倍以上こなさなければ、まだ一人立ちできません。まだまだ先輩たちの知恵を借りながらこの状況と戦っています。

 

もともと自営の家系でもあり、自身も営業を知っているので、消費者への援助だけではなく、業者の話にも耳を傾けることを忘れたくない。よき消費者、よき業者が馬鹿をみない社会になって欲しい。


※2011年現在は、プライベートな事情で少しブランクを置き、違う地域の市立センターに勤務しています。


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かけだし消費生活相談...

http://d.hatena.ne.jp/csc3/touch/20090207/1313989374

2011-08-22 14:02

消費生活センターとは

ネット広告で登録のある行政書士事務所や探偵事務所に消費者被害救済の依頼をしたが「内容証明を送ってくれただけで、業者からは音沙汰無しだった」「住所地に事務所はありました、との報告だけだった」とセンターに相談する方が多くいます。

当然といえば当然。行政書士にはセンターの相談員がする斡旋にあたるような交渉権限はありませんし、探偵事務所は調査が業務です。センターが有する数百万件にも上る全国苦情情報ももちあわせていません。これらのネット広告(HP)に記載された実績にもこちらの客観情報ではありえないようなものも見受けられます。

まずは消費生活センターに相談してください。私達は対応は辛口ですが、実はかなり頑張っています。

センターに相談すれば情報は行政処分権限のある担当機関等に知らされます。センターで解決できないものは、他所でもそう解決しません(センターが解決困難以外の理由で入らなかった場合を除きますが)。

消費生活センターとは

この世界に入った時は抱いていたイメージとの違いに驚いたものです。

確かに「ちょっとした生活相談を経験豊かな主婦が受ける」

という時代もあったそうですが。

いまや恐ろしくハードボイルドな職場でした。。

消費者関係の法令類は普通の弁護士より詳しくて当たり前、とされ

業者と交渉するときは心理戦も含めた「交渉人」としての力量を求められ。

(このような業務の変化、専門化は、最近の消費者契約法特定商取引法金融商取引法などの消費者法の充実も背景にあります。)

消費生活センターとは

 国民生活センターのHPには「消費生活センター等では、商品やサービスなど消費生活全般に関する苦情や問合せなど、消費者からの相談を専門の相談員が受付け、公正な立場で処理にあたっています」との記載があります。地方自治体の機関として全国に500以上あり、内閣府独立行政法人国民生活センターが事実上統括しています(現在では消費者庁構想あり)。業務は、消費者被害の相談、暮らしに役立つ情報提供、消費者の自主的な活動の援助、消費者教育の推進などがあげられます。

 

が、私がやっている仕事の実態は消費者被害の救済、特にハードな契約関係がほとんどです。その中でもパワーを使う割合が高いのが相談数の1割満たないながらも業者との電話でのやりとり(斡旋、といいます)。

 消費者基本法の第5条「業者は国又は地方公共団体が実施する消費者政策に協力すること」という条項に基づいて業者に交渉のテーブルについてもらいます。(注:ただし下で述べるようにあくまでも消費者の自主交渉がまず原則です)

 この多くは消費者が「悪徳業者」と呼ぶ業者との戦いです。もちろん「悪徳」とは言えない業者や、一般的な大手業者との交渉もあります。(蓋をあけると消費者側により大きな落ち度があることもあり、消費者が主張するように「悪徳」「悪質」という言葉がふさわしくないこともあります)

 もし明らかに悪質な業者による不当な契約であっても、消費者からの要求、立証の困難さ、業者側の知恵、法律など制度の壁…いろんな壁にぶち当たりながらも解決に導いています。確信犯的な悪質な業者からコンプライアンスに意識をもちつつある業者まで数多くの業者と関っています(その情報は行政処分などにも役立ちます)。

 

かけだし相談員から見たセンターの仕事の実際は。

 

センターは、「事業者と消費者間」のトラブルにおける消費者に対して、消費者関連の法令や条理を使って、「情報量や交渉能力について業者に劣る消費者」を「援助」が事実上主たる業務になっています。(「援助」とは助言や斡旋交渉や関係機関の紹介です。それは弁護士さながらの専門知識だったり、嫁さながらの身内のような情緒性だったり、人生経験に基づいた度胸や知恵だったりします)。そして消費者行政のための、国や地方自治体の情報収集機関でもあると思っています。

1.まず、消費者としての相談か切り分ける(センターの趣旨だけでなく、トラブルに適用する消費者関係の法律の問題もあるので)

2.<ほとんどの相談>

そして、消費者はセンターの専門的助言を受けて自主交渉をするのが基本。専門機関があればたとえば技術的助言などを得るために紹介する。利用できる業界団体があれば紹介(数%に満たないぐらいですが、内容によっては弁護士に頼むよう助言することもあります。微妙な話なのでいつか後述)

3.<1割以下の相談ですが…>

消費者による自主交渉が難しく、その上センターが入るべきと判断された場合(ex.自主交渉が平行線、あまりに悪質でマークされているような業者、専門知識が必要、本人が高齢で身近に家族等いない)、センターが事業者との間に斡旋交渉に入り、専門知識および全国のセンターに集められた情報を元に双方の”使者”として交渉する。(相談数の1割満たないですが、実はこれが相談員の業務の中でかなりの時間や労力の割合を占めています。私は毎日何件もの新しい相談を受けながら、20件ほどの交渉事案抱えて同時平行処理しています)

4.最後に、すべての相談と結果は国民生活センターに報告され、パイオと呼ばれるネットワークを通じて全国のセンターに共有されます。(今後各事業者を行政指導などで監督する省庁も一部閲覧できるようになっていきます)

それ以外の仕事も。借金関係(多重債務問題)を多く扱っているセンターもあります。表示関係の問い合わせにも回答をしたり関連機関を紹介しています。消費者の意識を高める講座も各地で行っています。

(各地センターで運営実態は異なります。相談員によっても見解は異なると思います)

行政の消費生活相談窓口は3層構造です。

・国の「国民生活センター

都道府県消費生活センター

市町村の「消費生活センター」「消費者相談窓口」

 ※センターのない多くの市役所にも相談窓口に専門相談員が。

  町役場にもある程度対応できる職員がいます。

  (その自治体によります)

どこに頼んでもOKです。お互い連携をとることもあります。

「簡単な買い物のことなのに消費生活センターに相談してもなんにもならない…」

「複雑な高額契約だったのに、消費生活センターで助かった!ここまでやってくれるなんて!」

両方の声を聞きます。

それはセンターの特殊な立場や能力のためです。

また相談の内容でも異なってしまいます。

(斡旋交渉に入るようなケースは私のまわりでは9割以上の高確率で全要求が通らなくとも、和解で一定の解決まで導いています。もちろんケースバイケースですが…)

我侭という訳ではなく賢い消費者を育てることで、良い事業者も育つと信じています。

 

しかし…。私は本音を言うと、

この仕事をして「ここまで消費生活センターの相談員はやるんだ!」

と驚いています。

想像もしていませんでした。

※ただし、注意して頂きたいのは、

まず消費者による自主交渉が基本であること。

そしてセンターの交渉にしても、似たような事例でも同じようにセンターが入り、同じような解決額になるということは多くありません

念を押す理由は、ネット情報からセンターに相談する方の中の多くの方が「同じ件でセンターに相談して解決したとの情報をみたので」とお話されます。しかし、消費者の契約時のちょっとした行為の違い一つで適用する法律が異なったり、業者の営業の言葉の一つが違っただけで法的に言えることが異なってしまったり、一週間交渉時期が違っただけで業者の財政などの状況が違ったりします。

また、こちらに記載されていることは、あくまでも一相談員の個人的な考えであることをご了承ください。

※ 消費生活センター、弁護士、司法書士行政書士。どこに頼む?

詳しくはまたいつか。

ただ、「消費者被害」に関してはまずは、センターに相談するのも一つの考えではないでしょうか。

一つめは、センターに消費者問題の情報提供することは今後の消費者行政に大きな意義を持ちます。(というか、大きな意義を持つようになって欲しい…)。

二つめは、消費者としての力を伸ばせると同時に、1割以下とは言えセンターが斡旋に入ると判断した場合なら、高確率で(全額返金などは難しくても)何らかの解決、合意がなされるからです(注意:斡旋に入るかどうかはセンターの判断です。ただし、センターが”消費者としてその主張は難しい”ということが理由で斡旋に入らない場合は、他の手段でも難しい場合が少なくないと思います。もちろん”法律家に相談することや他機関に相談する方がいい””センターの趣旨上入れない”という理由で斡旋に入らなかった場合は別です)。

というのは、ほとんどの相談員は消費者契約法特定商取引法などの法律については資格を持ち、研修を受けたり新しい情報を提供されたりしてエキスパートです。その上、なにより斡旋権限(実体は事実上の交渉権限)もあります。また、私たちの使う全国に繋がるセンターの持つ相談情報、解決情報は膨大で、それも非常に有効に活用しています。(内容は消費者には非公開ですが)。

このようにセンターは無料なだけではなく、斡旋権限がある上情報を持ち、業者に柔軟な対応を求めることがしやすいので、法律家以上のことができることも多いです(ただし、助言で終わらすものは助言で終わらせますし、センターには強制力がないため、それが必要なときは弁護士や認定司法書士による裁判、若しくはそれをちらつかせた法律家による交渉にならざる得ないですね)。

よって、相談の順番は「消費生活センターで対応できない場合に法律家」というものでもいいと思います。せっかく税金で動いているものでもありますし。

でも、センターだと通知書の作成も助言をうけながらといえ自分の手で作る煩わしさがあるし、公の機関として受付時間が限られているし、消費者教育の視点や公平の見地、それに基づく相談員の多少ツンデレ?(一応気をつけているんですが)な態度がちょっと…という場合は民間がいいかもしれません。ネットをみていると行政書士でも詳しい先生もいらっしゃるようですね。(ただ若い方ならセンターは勉強になるとおもいます)

 

かけだし消費生活相談...

http://d.hatena.ne.jp/csc3/touch/20090205/1313748803

2011-08-19 19:13

ある消費生活センターの一日。(エッセイ風)

例えば、地方のあるセンターではこんな風に仕事をしています。

2009年2月。

最近暖かい日が続いているせいか、電話以外にも来訪による相談者が続々。

1.午前9時

まず朝一番、昨日電話で私が相談を受けた若い男性が来所。

かなり怪しいマルチ商法による健康食品の契約で、

「騙された!名前を勝手に使われた!」

かなり感情的になっていた男性の話を聞いたあと、

経緯と主張を書いた業者宛の「手紙」を書いて持ってくるように伝えていた。

(数百万件ものセンターの相談が蓄積されているパイオネットで調べたところ、数桁にも及ぶ同様の相談がこの業者に寄せられていた)

男性は封筒を私に差し出した。便箋で10枚超。

人間関係も含め、かなり複雑な経緯があった。

しかし、交渉材料になるところは遠慮がちに書かれており、

主張できないところ(客観的でないところ)に関して

声高に語気が強くなっている。

騙された部分は半分、あと半分は…つまり客観的な証拠はかなり彼に厳しい。

しかし、彼の言葉はすべて辻褄がある。彼に不利なことまで。

彼に社会経験は薄く、なのにドロドロした人間関係の中に置かれているのも、

そこに書かれた言葉だけでなく、全体的な雰囲気でなんとなく理解できる。

経緯を時間をかけて一言一言私がチェックしながら、

詳細に記載の助言を加えていく。

「ここでは具体的に何と言われました?そのときの認識は?」

もう一度聞き取りをしながら、法律上の問題点を伝え、

倫理的にどうかと思えるポイントを冷静に

そして、自分にもし非があったとしたらどういう点かも考えてもらう。

(本人の今後のため、そして交渉のため、あらゆることを振り返ってもらう)

男性が書き直そうと下を向いた。

私はこっそりと法律書の該当箇所に赤線を引いた。

資格は持っているとは言え、私はまだ駆け出し。

経験処理件数は2000件に満たない。ひとつひとつが勉強。

私がこの男性のかわりに「契約取消通知書」の類を書くのは簡単。

しかし、センターではそれはできない。私たち行政の立場はそういったものではない。しかし、本人が当時のことを振り返り、よく考え、

それを本人の手で書くことで、より強く柔軟な交渉力を持ち、消費者本人の能力、意識も上がっていく。

専門的なことは私たちが業者と話すときにきちんと業者に伝えるから)

そして、私達相談員は消費者問題専門家であり法律家ではない。

だからこそ「違法」なこと以外、消費生活における問題点も指摘できる。

相談をする彼らも同様だ。

2.午前9時30分

30分経過。

こちらの助言に従い書いてもらっている間にも電話がやまない。

先輩たち、電話口の相談員の手が全てふさがっていた。

男性を待たせて、デスクに戻って別の相談を電話で受けた。

「あるパソコン関連商品をネットで買ったんですが、同じ店なのに店で買う方が安いらしんですよ。ネット通販の方が安いのが当たり前でしょ。おかしくないですか!」

「確かに通販の方が安い場合が多いですが…それは業者の自由なんです。」

店によって価格が違うことを理解できない人も多い。

業者の価格設定の根拠と思われることや、

「契約の本質」や「自由経済の背景」まで、

できるだけ簡単な言葉で私からこの消費者に理解させなければいけない。

受話器を下ろせず時間がたっていく。

その間にも業者から別の相談に関する交渉の電話が入って、

デスクの目の前にはどんどん「電話が入りました」と付箋が重ねられ…

「すいません。出来ました」手紙を書き直しているさっきの男性から呼ばれた。

新たにいくつものことを書き足したものにもう一度目を通し、助言をする。

特定商取引法上の販売目的隠匿、迷惑勧誘、不実告知、

不利益事実の不告知、そして消費者契約法上、条例上の違法…。

問題はてんこ盛り。

そして、何より本人に契約の意思がない。

それは間に入って立替払いをしている信販業者からは

「業者と消費者の共謀で我々を欺いた」と反論する余地を与えるかもしれない。

業者もすぐウンという相手ではない。交渉は長期化するだろう。

が、彼がやる気なら私も頑張ろう。

次はFAXでもよいのでまた見せて下さい、と伝えた。

業者からは「センターが誘導尋問しているだろ」とよく罵倒される。

しかし、そんなことをすれば私たちの首を絞める。

だからこそ、ここは気を使い、時間も神経も使って聞き取りをする。

 

男性は来たときよりずっと表情も明るく、冷静になって帰っていった。

彼と同様のトラブルがこの業者には多いようだ。

また一つ情報が蓄積された。このままだと行政処分も時間の問題かもしれない。

彼の手紙が出来上がれば、あとは私の交渉術と本人のやる気だ。

3.午前11時

鳴り止まない電話の前に戻る。

「私はクレーマーなんでしょうか」

50代女性。プロバイダー関係の相談。

インターネット絡みの相談は業者が複数登場し、説明が難しい。

回線業者とプロバイダー業者、それに代理店が異なることを時間をかけて説明した。

代理店にも一次代理店と二次代理店がある。

私の知っている業者間の一般的な裏事情も少し伝えつつ…

しかし、この関係は実際にセンターが斡旋に入らなければわからない。

通信関係の複雑化に年配の人のみならず、若い人も実はついていっていない。

「業者も集まる、次の総務省電気通信局の会合でこの件を話題にしよう」

やっと単純な相談が入った。

よくある「サンプル」と書かれていたアダルトサイトからの請求だ。

若い女性。電話であいづちを打ちながら、指は別の相談をなぞりながらパソコンのキーを叩いている。こうやって定型化した相談を電話で受けているときには、別の相談の報告を書きながら助言することもシバシバ。忙しいときは仕方がない。

こうして口と頭は別の仕事をしていることも。電話口で泣きそうな相談者には悪いと思いながらも。

ふと、私のパソコンを打つ手が止まった。

「なんですって?もう一度その画面を説明して下さい」実体は複雑だった。

ダメだ。その画面操作では契約が成立している可能性もある。

でも、確認画面(契約内容について”もう一度”念を押す画面)を

そんな簡単にクリックすることがあるだろうか。

「でも、酔っ払っていてそこは詳しくは覚えてないんです」

援助交際をしてでも金を払えと脅かされたらしい。

しかももっと酷いことまで言われていた…。泣きじゃくっている。

契約の成立は不明だが、彼女はこれ以上関わってはいけない。

「いいですか。今から話すことを良く聞いて下さい。

公序良俗違反による契約無効の考え方等と、連絡の絶ち方、

問題がある場合の通報先を教えた。

彼女には事後的フォローが必要。メモをした。

そして、電話を切ると同時に他相談報告書の終了ボタンを押した。

4.午後1時

けたたましく電話はなり続けている。いくつもの仕事を同時並行している。

デスクの上にはいくつもの交渉のファイルが散在し、法律書や六法や新聞の切り抜きなどが散乱している。「机が仕事をしてるね」といつも私たちは笑う。

でも、実際は仕事をしているのはやはり私たち。

業者関係者からもどんどん電話がかかって来る。

「どうしてそちらはいつも電話が繋がらないんですか!」

「それって、お客さんの方がおかしいじゃないですか!」

「証拠はあるんですか!営業(担当者)は違うと言ってるんですよ!」

やりあっている間に次の手を考えながら、参考資料をめくる。

「申し訳ありません。いつも電話が混んでいて…」

ん!次の手がみつかった。

「今から資料を送るので、それでご説明します」

そして、別件の待たせている相談者のもとに走る。

正職員から「こんなに働く非常勤の人たちは初めてだ」と言われた。

目の前に深刻な仕事がどんどんやって来るので、

それに答えて働くしかない。「○○様からお電話です」知らない名前だ。デスクに戻った。案の定業者だった。

センターで交渉する中でも内容が不可解な業者は業者名でなく個人名で電話をかけてくることが多々ある。

(多数の幽霊会社をもっているから自分の業者名を忘れるのか…)

「(相談者が)ここに書いてあることは嘘だらけじゃないか!

 だいたいうちの契約は一つなのに、 なんでこんなに沢山の契約が書いてあるんだ!」

資格教材を数十社と契約を義務付け強要された相談者の交渉。

このような被害にあっている消費者の交渉を私は同時に何人も抱えている。

業者が怒涛のようにしゃべる。それを黙って聞いていた。

「何より、ここに書かれている契約日は違う。契約者は嘘を言っている」

駆け出しの私でも聞き逃さなかった

「契約書にはその日が記載されています。契約書上の契約日と実際の契約日が異なるなら、特定商取引法上の書面不備です。

法定書面が渡されてないのでクーリングオフ可能期間の起算もまだです」

私たちの土俵に乗った。

「契約日ぐらい違ってもいいだろう!」

「契約日は契約内容の中でも非常に重要です。クーリングオフの趣旨から…」

そしてダメだし。「書面不備によるクーリングオフ裁判所の判断もご存知では」

「わかった。しかしこの契約者にも問題があるのではないか…。

なんと言うか…。他の違法点の指摘には言葉を濁す。しかし交渉は少し進みそうだ。

こんなに忙しいのに、

消費者から「どうせ高給取りだろうが!」(バイトのオペ以下の時給です…)

「お前らボーナスもらってるんだろうが!」(ボーナスなんてないです…)

公務員はいいな!5時に終わって!」(実際はサービス残業してます…)

などと言われたり。

こんな風に平日終日働いているのに相談に来た生活保護を受給者と自分の収入がほとんど同じとわかった時に愕然とした。別の仕事、探そうかな…くじけるとすぐ思ってしまう。

5.午後3時

忙しさも佳境に達した夕方、先週業者からの返金が確認できた、という相談者のご家族が訪れた。続けざまに鳴っていた電話の波がすっ、と切れた。

仕切りを隔てたエントランスホールに向かった。「長い間交渉をして下さってありがとうございます。おかげで姉は救われました」初老のその方は晴れやかな表情で頭を下げられた。


その業者の契約者は高齢者ばかり。

同様の苦情がある多数ある業者にも関わらず、被害者が高齢で調書を取れない、

言った言わないに関してはすべて否定する、だから営業停止処分が困難な業者だった。実は住民には公表はしていないが、業者を呼び出してかなり注意(行政指導)をしている。ただ、それ以上の営業停止となると、証拠がなければ

業者から処分した県が反対に訴えられることもある。この業者は実際議員を動かすほどだ。だから下手は打てない。この業者に関しては、さんざん処分担当の職員とも話をしている。しかし、担当課の職員も非常に苦労をしているのがわかっているが、いくら行政指導をしても、同様のことが続くのでは意味がない。)

1年かけて関係業界団体、関係企業、

それに他のセンターに持ち込まれた相談内容も突きつけて

交渉し、その突破口になる相談だった。でも救済割合は少なかった。

数百万円の被害額のうち、たった二割。

本人が強度の認知症というだけでなく、年月がたち過ぎていたこと、

この業者に同様の相談が多数寄せられているにも拘らず、

彼らはトップは法律を熟知し、顧問弁護士もついていること。

営業担当者はシラを切り通すこと、すべてが不利だった。

お菓子を渡された。受け取れない、と断った。一応パート扱いだが公務員だ。

しかも、あれは事実上の「負け試合」…

「気持ちだけです」と帰られようとする。慌てて後を追った。

私の最初の交渉の相談者を思い出した。その若い女の子はデート商法による被害を何年も家族にも相談できず、しかも酷い二次被害にもあっていた。

彼女から感謝の手紙だ、と渡された中に数千円の商品券が入っていた。

慌てて後を追った。どうしても受け取れないんですか、と彼女は涙を流した。

どうしても、と返した。

やっと初老の女性を捕まえた。どうしても、いや受け取らない、と押し問答が続いた。「わかりました。だったらココに捨てていきます!」

「えーっ、それは…」

彼女はお菓子をほうり投げて、足早に立ち去った。彼女が「捨てた」菓子折りを仕方なく拾い上げた。行政職員に相談したら、困った顔で笑いながら「仕方ないね」と。お茶菓子にして、先輩達にも証拠隠滅に協力してもらおう。

6.午後4時

電話が鳴った。「借金が払えなくなったんです」50代ぐらいの男性。

多重債務の相談は苦手だ。なぜなら最近まで借金関係は、金融担当課の専門的な相談員が受けていたから。

その相談員らは自己破産弁護士を使わずに、できるだけ本人たちの手でできるように彼が具体的に「指導」していた。

「僕が司法書士や弁護士の資格を持っていたら、かなりの年収になったのにね」

と彼(相談員)は笑っていた。しかし、消費生活センターの機能拡大の下、

多重債務の専門相談窓口は廃止された。専門の相談員も辞めた。

名目上は「消費生活センターの機能が増えた。すばらしい」と報道されている。

しかし、実際は自治体としては機能低下だ。

私たちは忙しすぎて、彼らがしていただけのことはできない。

彼が何を望むか、彼の周りの環境は?財産は?彼の知的能力は?

それによっても、助言は異なる。特定調停で済ますか、弁護士に繋いで自己破産か、業者によっては自主交渉が可能な場合もある。

また、生活苦によるものなら、福祉関係と繋いだり、

ギャンブル依存症がみられたら、自助グループを紹介したり。

彼の収入と借金の額はあまりに不釣合いだった。とりあえず明日の来訪を促した。多重債務の相談は人生を引き受けること。気楽なグレーゾーン金利による過払いの相談もあるが、辛いものもある。

ある日女性から「父はそちらに相談に来ましたか」と電話があり、来てませんよ、と答えると、数日後自殺がみつかったこともあるという。同様の話は各センターで聞く。

7.午後5時

積まれた関係書類と交渉記録のファイルを横目に、報告書を打ち続けている間に、センター相談受付終了時間のチャイムが鳴った。慌ててドアを閉めに走った。隣の同僚が、電話を終了に切り替えた。

さて、今日も報告書書きが山ほど残った。ブラインドタッチの得意な私でも、

新規相談受け時間以上の時間が報告にはかかってしまう。

明日は四日に一度の報告書に専従できる日。一件一件、国に詳細を書いてパイオネットへの入力を通じて送信する。でも、調査や来客もありやっぱり多忙な日になるだろうな。

※ 内容については実際をそのまま書いていません。

  複数の業者を混ぜたり、分けたり、消費者も属性を変えたりしています。

  2009年に書いた状況であり、

  2011年現在の私の仕事は法改正や社会情勢の変化、

  勤務センターもかわった為に若干変化しています。

 

 

かけだし消費生活相談...

http://d.hatena.ne.jp/csc3/touch/20090203/1313991051

2011-08-22 14:30

センターによる解決1:斡旋

以下が現在私がしている斡旋交渉(私から業者に電話してやりあってる)の一部。典型的なものだけ挙げたいと思います。

同じような事例でも交渉に入るかどうかは様々な要素で判断します。

・ 認知症高齢者への工事の跡のない次々住宅リフォーム契約

・ 強要めいた訪問販売による高齢者の健康食品と健康器具の購入

・ デート商法による若者のアクセサリー購入

・ 電話勧誘による悪質な教材二次被害(全くの不当契約)

・ ネットでも話題になっている実体不明の数百万円のマルチ商法契約

 (※追記:今だから明かします。ビズインターナショナルでした)

・ サクラらしきメールによる出会い系サイトへの100万円を超える支払(カード決済)

・ SOHO募集の求人広告による機材名目で十数万円の支払い

・ 大手業者の代理店による電話勧誘の説明不足による契約

…などなど、業者と電話で渡り合っています。(現在、私は20件ほど持っています)

※追記:2年後の2011年現在では訪問販売が激減。出会い系や怪しい情報商材などネットを介した取引や、DMと電話勧誘による投資詐欺的な苦情の斡旋が増えています。背景に多数の業者が関わっており、交渉も複雑化しています。

センターでは消費者による自主交渉が基本です。

しかし、数%〜1割弱に関しては総合的な観点からセンターが間に入り

「斡旋交渉」をする必要があります。

前回、斡旋交渉の架空の例を作り流れを書きましたが、今日は一般的に説明したいと思います。実際の斡旋の流れの例を、「架空の事例」をもとに書いてみます。実際は、相談総数の1割以下しか斡旋にならないのですが、業務の中ではかなりのパワーを割いています。

注意:

ここでは相談内容も交渉も簡略化して書いています。

相談内容がほんのわずかでも違えば全く異なる対応にもなります。

消費者からは同じ相談事例にみえても相談員からみたら違う場合がほとんどです

これは経験上から創作した古典な架空の相談事例です。

商品や数字、細かな契約の経緯はあえて省きました。(実際の交渉は本当にいろいろな要素が絡み結果も様々です)

消費者「訪問販売で高額な商品を無理やり買わされました。

    頭金と信販からの引き落としで○万円既に払いました。

    信販から残額の請求が来ます。どうにかならないでしょうか」

相談員「詳しく当時のことを話して下さい」

消費者「点検に来ました、とドアの向こうで言われて(説明)

    何度も帰って欲しいと言ったのですが。そのあとも…(説明)

    私の病気も治ると言われました」

相談員「もう○ヶ月たっていますね。

    なぜクーリングオフをしなかったのですか」

消費者「あまりに強引でクーリングオフをするのも怖かったんです。

    さっき本社に”返したい”と電話したのですが…」

相談員「契約書をみせてもらえませんか」

 

※消費者が本当のことを言っているか、競合業者の差し金ではないか、

 その辺はベテラン相談員ならかなり「ピン」と来るそう。

 私はまだ経験が浅いので戦々恐々。だからひたすら詳しく聞き取り、

 怪しいと思えば先輩に相談します。

消費者から契約書のFAXが来る

パイオネットで全国のセンターでの斡旋交渉例を確認したところ、

同様の苦情相談が多数出てきた

 

~ 相談内容、業者他相談例、消費者自身では交渉困難との判断から、

センターが斡旋交渉に入る方向ですすむ。~

相談員「契約書を見ましたが法律上記載すべき○○が

    ちゃんと記載されていませんね。

    まだクーリングオフを主張していいと思われます。

    消費者契約法上の取消し事由もあるようです。

    が、前者だけでの交渉は難しく、後者の証拠がないのも確かです。

    (センターの機能権限を説明。交渉不調の可能性も伝える)

    交渉にセンターが入ることも可能ですがどうしますか」

消費者「お願いします」

相談員「交渉には、業者にあなたから

    契約のいきさつを書いた手紙(通知)を送ります。

    あとは私が電話であなたと業者の交渉の間に入ります

    (以下説明)」

消費者「ちなみにあの…この会社について、他にも相談が来てますか」

相談員「すいません…。それは言えません。

    ただこういった商品で同様の相談は結構あります(一般的な説明)」

 

翌日。消費者から経緯文の下書きがFAXで届く

相談員「下書きを読みました。

    ここからここは、もっと具体的に書いた方がいいですよ。

    また交渉上ここの表現は…(説明を続ける)」

消費者「わかりました。また書き直してFAXで送ります」

 

~ 何度か書き直して通知文を清書する ~

 

消費者「できあがった通知書を送りました」

相談員「業者からの回答を電話で聞き報告します。がんばりましょう」

 

数日後。センターから販売業者に電話。

 

相談員「ご本人からの通知書への回答は頂きたいのですが」

事業者「これは納得するのは難しいです。

    書面不備と言われても些細なことである上、

    お客様の書かれた不退去、不実告知などの事実はありません。

    クーリングオフ期間に何も言われていない。

    今更返品を受けることは無理です」

相談員「契約書にこの漏れがあると非常に困ります(理由の説明)。

    またここまで具体的にご本人が書いています。

    (法令違反などについて説明。理解しない業者には法の趣旨から)

    (同業者の他センターの同様の多数の相談例を考慮して)

    こういった相談は今回が初めてですか?

    営業を今後もなさるなら…(説明する)。

    具体的にどういった所が販売員の話と異なるのか再度確認を」

 

センターから信販会社に電話

相談員「抗弁は受けて頂けましたか」

信 販「はい。請求はとめています。交渉の状況はいかがですか」

相談員「(説明)。(加盟店管理責任の観点から)対処をお願いしたいです」

信 販「わかりました。こちらからも販売業者に話をします」

 

数日後。販売業者からセンターに電話が。

 

事業者「営業担当から再度詳しく聞き取りをしました(説明)。

    やはりお客様の通知書と全く同じとは言い難い。

    しかし契約書の記載に至らない点があったことは確かです。

    8割に値引くので使って欲しい。」

相談員「ご本人に回答を伝えます。ただ…。

   (とても応じられる額ではないと思われ、問題点を再度指摘して説明)。」

 

センターから消費者に電話

消費者「それだけの金額はとても払えません。

    相手のお話は○○というところが全く違います。

    詳しく説明できます(以下説明)。」

相談員「では業者に説明し、交渉を続けます。」

 

~ その後、なんどか業者や消費者とやりとりをして交渉を続ける

(その後の交渉は省略)~

ケースによって様々な策を練ります(後日のエントリーに)

 

真摯に対応する業者によって、消費者の勘違いがわかることもありますし

怒鳴り散らすばかりの業者に契約事の一から説明することも。

詐欺の色の濃い業者と他関係業者を巻き込んだ心理戦になることも。

センター顧問弁護士と策を練ることもあります。

交渉を始めて○週間後後。

事業者「わかった。既払い金の○割の返金ではどうだろうか」

相談員に電話消費者「これだけで済むなら。それで和解します」

業者と消費者の間の和解書を確認して終了。

その後相談内容、交渉内容、処理結果を報告し、

国民生活センターのパイオネットで全国のセンターから閲覧できるようになる。相談が集まった場合、場合によっては行政処分の資料にもなる。

注意:架空の事例です。何度も言いますが、

わずかな内容の違いでセンターの処理も業者の対応も全く異なることも。

一見類似の相談でも同じ事例はないので。

 

 

かけだし消費生活相談...

http://d.hatena.ne.jp/csc3/touch/20090202/1313992701

2011-08-22 14:58

センターによる解決2:助言

2つめは私たちの処理で一番多い「助言」の流れを書いてみます。

どれも良くある例です、(本当はもっと色々根掘り葉掘り聞き取って、助言も複雑ですが簡略に)

注意:ここで書いてみたのは簡略した例であって、

相談内容がほんのわずかでも違えば全く異なる対応にもなります。

センターや相談員によっても少しづつ異なります。

ネット通販による商品購入

消費者「ネット通販で代引きで買った商品が壊れていました。

    お店に苦情を言っても”配達業者の扱いが悪かったんだろう”

    ”HPには返品できるとは書いてない”と

    返品に応じてくれません。クーリングオフできませんか」

相談員「通販はクーリングオフできません。

    でも、例え配達業者が壊したとしてもお店の責任です、

    一旦期間を定めて壊れていない商品との交換か修理を求め

    それがなければ解除し返金も要求できます。

    また返品不可の記載がなければ返品可能と考えていますし、

    特定商取引法の改正もあるので…。

    相手が応じなければまた連絡を下さい。

    あ、これはモールに入っている店舗ですか?…(続く)」

 

数時間後。

消費者「消費生活センターから言われたことをお店に言ったところ、

    交換になりました。ありがとうございました」

・このように、相談を受けてもまず自主交渉が基本

 (自主交渉能力がない、特定の業者などはすぐセンターが斡旋することも)

文章には書いていませんが、いつも助言の前に契約書等を見せてもらいます

 (紛失すれば取り寄せてもらいます。契約内容を知るため非常に重要です)

・情報収集の機関を紹介することも多いです。

・特に技術的な相談は関係機関を紹介します

業界団体を紹介することもあります(そのメリットもいつか後述)

・この後、センターが入るべきと判断された相談は斡旋交渉に。

■その他事例

店舗販売による中古車の購入

消費者「昨日中古車を店で注文して、今朝キャンセルしたいと言ったら

    高いキャンセル料を請求されました。

    クレジットも組まなかったし。支払う必要があるのでしょうか」

相談員「自動車以外のお店での買い物はキャンセルは難しいですが、

    自動車は少し特殊です。

    中古自動車販売連合会に加盟で、クレジットを組んでいない場合は、

    自動車の引渡し、登録、(特に頼んだ)修理改造などがまだなら、

    契約は成立していません。申し込みはキャンセルできますよ。

    「原則」としてキャンセル料は不要と考えています。

    中古自動車販売連合会の電話番号をお伝えします。

    ただし、加盟していない店の場合は異なるので、

    また折り返し連絡を」

電話勧誘による書籍の購入

消費者「一ヶ月前に突然電話が来て、本を買えと言われました。

    怖くて曖昧な返事をして切ったのですが、

    昨日本と契約書のようなものが届きました。

    放置していていいですよね」

相談員「(詳しく聞き取った後)契約が成立しているか微妙ですが、

    言った言わないの話になりますね…。

    相手はもう個人情報も知っているので

    後々のことを考えると、

    クーリングオフ通知の葉書を出した方が無難です。

    クーリングオフは問答無用の解除なので」

消費者「でも私は承諾してないですよ」

相談員「だったら、契約承諾の意思表示をしていない、

    もし契約が成立していたとしてもクーリングオフ

    をする、と併記してはどうでしょうか。」

消費者「相手がクーリングオフに応じなければどうしたら」

相談員「その時はセンターが間に入ります。

    まず届いた書面をfaxして下さい。通知の書き方をお伝えしますね」

 

SF商法による購入契約

消費者「(高齢女性の声)なんとかセンターかね?

    家に洗剤やタオルをもって来た男の人が、近くの倉庫で…。」

相談員「(聞き取りでSF商法と判断)

    おばあちゃん、もうその機械は返したいの?

消費者「払えないから返したい。でも悪いかのう…」

相談員「その時はゆっくり考える余裕がなかったでしょ?

    だからそんな時はクーリングオフといって8日以内なら

    返品ができるの。」

消費者「返せるなら返したいのう…。どうしたらいいんじゃ?」

相談員「おばあちゃんはお子さんは?」

消費者「1人じゃよ。」

相談員「だったら近くの役場に行けますか。先に電話をしておくね。

    また後で電話しますね」

 

相談員「お世話になります。○○役場市民課(役場によって部署は異なる)

    お願いします。担当の方ですか。高齢の住民の方が…」

担当者「わかりました。私からもよく聞き取ります。

    ご本人がクーリングオフの葉書を書かれたらまた連絡します」

知人からの投資の勧誘

消費者「お世話になった方から投資をすすめれました。

    通帳を見せられたら毎月○万円も振り込みが。

    確実に収益があり毎月○万円以上振込みが続くと。

    でも不安です。

    この会社には他に相談はありませんか。信用できるでしょうか」

相談員「(うわ、ここヤバイよ。関わったら大変だよ!)

    投資の内容は把握してますか?

    この業者の相談の有無は守秘義務上お伝えできませんし、

    また、いわゆる業者の信用性の調査はしていませんが…。

    お話を聞いている限り出資法違反の可能性が高いです。

    金融商品を扱う業者として無登録の可能性もあります。

    (財務事務所などを案内)

    また”確実に儲かる”という説明があれば、

    消費者契約法上の取消が可能な違法行為です。

    それでも信用しますか。

    また投資商法被害の場合、お金が取り戻せなくなってはじめて

    詐欺とされれ、実際上泣き寝入りになるることも多いです。

    (特にマークしている業者の場合、問題点を理解してもらうまで繰り返す)

    私たちはするな、と言える立場にはありません。

    よく考えて判断して下さい。(FAXで資料も送る)」

注意:ここで書いてみたのは一例であって、

相談内容がほんのわずかでも違えば全く異なる対応にもなります。

センターや相談員によっても少しづつ異なります。

 

 

かけだし消費生活相談...

http://d.hatena.ne.jp/csc3/touch/20090201/1313993453

2011-08-22 15:10

センターによる解決3:架空請求的なもの

追記:20011年現在では架空請求そのものはほぼ絶滅。

 (ポツポツと還付金詐欺等ありますが)

 かわってワンクリック詐欺に似ているが、

 詐欺とは言い難い微妙なアダルトサイトに関する相談が増加中。

 

注意:ここで書いてみたのは一例であって、

相談内容がほんのわずかでも違えば全く異なる対応にもなります。

センターや相談員によっても少しづつ異なります。

架空請求とは、請求そのものが全く不当なものです。

相手に実体らしき実体がないことが多く

基本的に本人もセンターも交渉しない。

得体の知れない相手に個人情報を漏らすことになりますし、

かえって取立てが悪質になることも。

ヤミ金融の取立ては弁護士等でバックアップ可なケースもあるようです。

 ただし先生方も”本人の頑張りが大切”と。警察にも相談を。)

確かに架空請求に関しては

消費生活センターが積極的にできることはないですが、

情報収集機関として活躍しています。

 

■ 典型例

 

1.ワンクリック詐欺

消費者「パソコンでネット中アダルトサイトに入ってしまい、

    突然、料金請求画面になったのですが」

相談員「電子消費者契約法により確認画面が必要です。

    (例えばATMで出てくるような念を押す画面)

    なければ契約の錯誤無効が主張できます。

    支払う必要はありません。

    絶対支払ったり連絡をとったりしないで下さい」

・不安を取り除くために実際はより細かい説明をします

架空請求にはこのワンクリック詐欺以外にもメールや葉書、封書による不当請求も

・別業者の代理取立てとしての請求なら弁護士法違反と助言することも

・センターには特定の請求団体名の情報が蓄積されています

 通常の相談と異なり、同業者名の相談数を伝えられることも。

 (特に葉書や封書での請求の場合)

・徹底無視の必要性を説明し、その方法を一緒に考えます。

 (個人情報の漏洩の危険、ターゲット化の危険のため)

・無視できない稀な場合も説明。

・振込み口座などの情報提供

・振り込んだ人は金融会社や警察に連絡するよう伝えます(振込め詐欺救済法)

・請求画面が消えない場合は、「IPA」などを紹介

架空請求に対処する、との名目で金銭を請求される二次被害も。注意を。

 (登録のある行政書士司法書士さんではなく架空の団体によるもの)

■その他の例

2.封書を使った架空請求

消費者「見知らぬ団体から何年も前の情報使用料?の請求が

    配達記録郵便で届きました。昔何がなんだかわからず、

    似たような請求に振り込んだことがあります。

    今回は代わりに請求する組合らしいのですが。

    もう何度も届きます」

相談員「この団体からの請求の相談数はかなりあります。

    (相談数の多い架空請求業者、団体は公開されています)

    裁判所を通じて来た場合でなければ、無視して下さい。

    また、法務大臣の許可がなければ業として

    債権回収はできませんし、

    許可があってもこのような情報料の回収は代行できません。

    弁護士法に違反します」

3.ヤミ金融による詐欺

消費者「DMの融資の広告をみて電話をして

    個人情報や口座番号を教えてしまいました。

    保証金が必要と言われたので断ったのですが、

    勝手に私の口座に数千円が振り込まれていました。

    放置していたら…

    『利息と手続料込みで○万円振り込め』と電話が」

相談員「ヤミ金融による保証金詐欺です。登録確認は…(案内)。

    今までの裁判例から、

    ヤミ金融には元本すら返済義務はないという考えが主流です。

    ○万円という額を振り込むことは絶対しないで下さい。」

消費者「職場にも電話が来て困っています」

相談員「職場は相談しやすい雰囲気はありますか?

    (対処を消費者と考える)

    警察にも相談して下さい。

    ヤミ金融に詳しい他相談窓口も教えますが、

    撃退するには自身の気持ちも強く持たねば」    

 

4.実体のない業者による二次被害

注意:信販が入っているような実体のある業者なら、

   センターが斡旋交渉に入ることも多いです。

   これは業者が実在していないケースです。

消費者「以前支払いが済んだ会員会費が滞っていると、

    電話がありました。退会手続きのために身分証を持って

    ○時に○○の前に来るようにと言われました。不気味です」

相談員「この業者は何年も前から連絡不能になっています。

    連絡をとらないように。もし電話をとってしまったら、

    消費生活センターに相談した旨伝えて切って下さい」

その後

相談員「所長、今日になって同じ相談がもう○件あります。

    先週末に同業者を名乗り同様の手口で人を集め

    ○○というような結果になった人の相談もあります。

    (全く不当な呼び出しで不当な結果になったことを詳細に説明)

所 長「わかりました。警察などにセンターから情報を提供しましょう」

(その後所長から、警察がその時間に見回りをするとの報告を受ける)

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注意:ここで書いてみたのは一例であって、

相談内容がほんのわずかでも違えば全く異なる対応にもなります。

センターや相談員によっても少しづつ異なります。

 

 

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csc3

一行紹介

地方自治体の消費生活センター相談員。「悪徳商法では」と駆け込んでくる消費者への助言、業者との斡旋交渉、国民生活センターへの報告に追われる毎日。(相談にはリンク集の各地のセンター等をご利用下さい)

自己紹介

[<プロフィール>]一消費生活相談員プロフィール 15:22

とある地方自治体の消費生活センター相談員。「悪徳商法では」と駆け込んでくる消費者への助言、業者との斡旋交渉、国民生活センターへの報告に追われる目の回るような毎日。中規模な地方都市に在住

 

弁護士も毎年多数輩出している法学部卒業していますが、当時は消費者法の講義なんてなかった。某有名外食チェーン店で食後に救急車で運ばれて入院するほどのショック状態に。その後その店では禁止されている添加物が入っていたことを知り、消費者問題に関心を。人材会社NPOなどを経て、消費生活センターに専門相談員として勤務中。資格は「消費生活専門相談員」(国民生活センター所長認定)。他に「行政書士試験合格」「個人情報保護士」なども。

 

私が勤務している消費生活センター都道府県センター。専門相談員の数は四捨五入すれば10になる人数(市レベルだと1人体制の相談窓口もあります)。うちの地方自治体財政難もあり、予算は毎年のように半減中。人件費も削られています実施した行政処分の数をみても、あまり消費者行政に熱心な自治体とは言えないほうです

 

身分は全国95%の相談員と同じく、非常勤の嘱託地方公務員。月曜から金曜まで息つく暇のないフルタイム勤務で、サービス残業日常化していますが、ボーナスもなく年収手取り150万円程度…

 

これだけ専門性が高いのに、シンドイ仕事なのに、求職中のオペレーターアルバイト時代より安い時給です。当初は体を壊していたこともあり、「給与が安いから楽な仕事だろう」とバイト気分ではじめたところ、相談業務の奥の深さ、消費者被害の深刻さ、そして、相談員として取得すべき知識経験の多さに圧倒され、「忙しいのにワーキングプア」なこの世界にどっぷり。未熟ですが先輩たちに支えられ、どうにか頑張っています

 

2009年1月現在、2年目の私が処理した相談件数はまだ2千件近く、あっせん交渉や助言の救済金額として明らかに判明しているのは1億円ぐらい。この倍以上こなさなければ、まだ一人立ちできません。まだまだ先輩たちの知恵を借りながらこの状況と戦っています

 

もともと自営の家系でもあり、自身も営業を知っているので、消費者への援助だけではなく、業者の話にも耳を傾けることを忘れたくない。よき消費者、よき業者が馬鹿をみない社会になって欲しい。


2011年現在は、プライベート事情で少しブランクを置き、違う地域の市立センターに勤務しています

 

メールアドレス 1

csc3@mail.goo.ne.jp